リリカ「もりはどこぅ?」
チャオガーデンを出発して30分。まだコドモのリリカには、少し負担が大きすぎたようです。
アイリス「うーん、まだもうちょっとあるんだけどー…」
メーデ「ちょっと休憩しましょう?」
リリカ「きゅーけーしようよー」
アイリス「それもそうだね、じゃあ休憩にしよっか」
三人は近くにあった椅子に座りました。
メーデ「ふぅ」
アイリス「ちょっと疲れたかも」
リリカ「つかれたかもぅ」
メーデ「アイリスって体力無いもんねー」
アイリス「うぅっ…し、仕方ないじゃない!」
メーデ「はいはーい」
メーデは軽く受け流すと、周りを見渡しました。
新芽が出てきた桜の木。地面に散らばる花弁。
お花見も終わりになりそうな風景でした。
メーデ「桜も儚いものねー」
アイリス「さくら?何それ」
リリカ「なにそれー」
メーデ「ほら、そこら辺の木の名前。花弁が散っちゃって、少し寂しいじゃない?」
メーデは周りの木を指して言いました。
しかし、アイリスは首を振って答えます。
アイリス「でもさ、枝の先にある芽が、なんか頑張ってる感じでいいと思うなぁ」
アイリスは周りの木を見上げて言いました。
メーデ「あぁ~…確かに。」
リリカ「きれー」
3人は、桜の木を暫く眺めていました。

メーデ「さて、そろそろ進もっか」
アイリス「そだね」
リリカ「いこー」
椅子から立ち、3人は森を目指し再び足を動かし始めました。


暫く歩いていると、アイリスが声をあげました。
アイリス「あ!二人とも、あれだよ、あれ!」
前方の森を指しながら、アイリスは言いました。
メーデ「あれ?うわぁー結構大きそうな森だね」
リリカ「はやくいこー」
リリカはてててと走っていきました。
メーデ「あ、ちょっとまってリリカ!」
メーデが追いかけると、すぐに追いついてしまいました。
リリカ「うぅー」
メーデ「ほらほら、一緒に行きましょ?」
アイリス「ちょっと待ってよーぅ」
アイリスも追いつきました。
3人は横に並んで歩きました。
メーデ「なんかあの森、迷いそう…」
アイリス「大丈夫!ワタシがちゃんと案内するから」
リリカ「よろしく、あいりす」
アイリス「…!?り、リリカがワタシの名前をちゃんと言ってる…」
メーデ「ワタシの名前も言えるのよ、ちゃんと成長してる証拠ねー」
リリカ「りりかせーちょーしてるの」
胸を張って言うリリカの姿に、二人は思わず笑ってしまいました。
アイリス「くふっ、あはは!そうだね、成長してるね、あははは!」
メーデ「あっはは!うんうん、リリカ偉いね!ははは!」
アイリス「やっぱリリカ最高ー面白過ぎー」
リリカ「もーいこーよー」
メーデ「はいはい、行こうか」
3人は森の中へ入って行きました。

メーデ「結構暗いんだねー」
アイリス「ここは暗いけど、集落になってるところは明るいよ?」
リリカ「あかるいよぉ」
メーデ「そっかぁーそれなら良かった」
3人がそんなことを話しながら歩いていた時です。
ガサガサッ…
アイリス「だ、誰!?」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第267号
ページ番号
6 / 33
この作品について
タイトル
ガーデンのヒミツ
作者
神崎揚羽(紅黒梓)
初回掲載
週刊チャオ第266号
最終掲載
週刊チャオ第312号
連載期間
約10ヵ月19日