フリーダムズ・チャオ

「ごめん。早速だけど物語ジ・エンド☆」
「ちょっと待てーい!何が『物語ジ・エンド(星)』だよ!おまけに何か物騒なもの持ってるし!」
「だってさあ、朝起きたら、俺の家に変な生物がいたんだもん。夢でしょこれ。何でもありじゃん。」
「いやいやいや、少なくとも俺の家にはいなかったし!夢じゃねえよ!」

物騒なもの、を持っている少年くんは、言う通り、変な生物を取り出した。

「どっから取り出したんだ?」
「四次元ポケット。」
「ねえじゃん!」

変な生物は、水色をしている生物だった。

「チャオだし。」

変な生物=チャオらしかったが、おそらく物騒なものを持っている少年くんには分かっていなかった。

「よーし!今からこいつを見せびらかしに行こう!」
「学校サボってんだから出歩いたらバレるだろ!」
「じゃあ、忍び足で!」
「意味ねえ!!」
「んじゃあ、こそ泥が人の家に忍び込む時に使いそうな一人前の抜き足で。」
「もっと意味ねえ!」
「ダンディーな表情している中年サラリー(36)が、遅刻ぎりぎりに会社へと入っていって、やっぱりその時、朝礼があって、部長に気付かれないようにこっそり入って、ばれてしまうくらいの差し足で。」
「バレてんじゃねえか!」
「仕方ないな。」

言い忘れていたが、ここは物騒なものを持っている少年の家だ。多分、そうだろう。
いやしかし、この物騒少年(略)が人の家を盗んで、すんでいるとしても、最早、おかしくはない。
今日の学校サボり組みには俺が指名され、というより、いつも俺が指名されているのだから。

ちなみに、俺は…

「名前なんてどうでもいい。お前はいつまでたっても、いや例え、たたなかったとしても、ちょっと出番あるけどやっぱ使い捨てだった村人(エー)で充分さ。」
村人(エー)「ここ、都会じゃねーか!ああ!名前の左記に表明されてる!」
「先手必勝(星)」

…ボケるのはそろそろとして、俺は今日。いまひ、と読むから、きょう、とか読まないでくれ。名前は…

「ああ、失敗した。ここはライトセイバーを入手してから進むんだった!!」
自称、今日「何のゲームだよ!ってか、人を家に強制連行しといて勝手にゲームやってんじゃねえよ!」
「チャオ・ウォーズ、エピ3だよ。しかし、それはすまない。気が付かなかった。」

といって、ゲームの電源を落とした。全く、とんでもない奴だ。
幼いチャオだけは俺の自己紹介を目ざとそうに聞いていてくれる。が、本当に聞いているのかは不明だ。
名前は直。ただし、って読むぞ。

「ちなみに、愛称は『日直』でーす!」
日直「ふざけんなっ!それでどれだけ俺が苦労してると思ってんだ!」
「いいじゃんか日直。毎日黒板拭きと、学級日誌の記録。場合によっては朝の会の司会。忙しくていいなあ。」
日直「毎日毎日、日直やらされてる身にもなってみろお!っていうか、日直って左記に表明されてる…」

そういってみたが、友人は耳を貸さない。
しかし、いまだ愛称(日直)は気付いていないようだ。無敵の存在に。

「ちゃうー」
「ほら、お前が騒ぐからチャオもいやがってんじゃんか。」
日直「これのどこが嫌がっとんじゃ!」

変な生物=チャオは、寝転がって本当にごろごろしている。
だが、その時、

「はっ!?地球を脅かす謎の生命体の気配が?!」
日直「んなもんどこにいんだよ!漫画の見すぎだ漫画の!」
「すぐそこに。」

そういって、変な生物=チャオを指差す。さすがにんなわけねえだろ。
そんな俺の心情を覆すかのように、

チャオ「ばれては仕方ない。良く気付いたな…そう、我らチャオは人類を侵略しに来た生命体だ!」
日直「ええっ!?っていうかさっきの鳴き声は一体何だったの!?」
「やはりそうか。だが、この俺のいる世界に現れようとは由々しき事実。ここで、成敗してくれよう!」

急に口調の変わった友人は、立ち上がると、やけに体格差のある、チャオと向き合った。
どう考えても、勝敗は決まってるだろよ。侵略してくるなよ、チャオ。
ところが、

チャオ「スペシウム光線!」
「くっ!」

このページについて
掲載号
週刊チャオ第228号
ページ番号
1 / 2
この作品について
タイトル
フリーダムズ・チャオ
作者
ろっど(ロッド,DoorAurar)
初回掲載
週刊チャオ第228号