食後
・・・で、起きたらいつの間にか朝になっていた。
ココは間違いなく自分の部屋である。自分の体も、しっかりとN・RRという進化タイプ、通称ソニックチャオになっていた。
ヤイバはいなかったが、1人暮らしの形跡ではなく、2人で暮らしている形跡があった。高校生らしい制服も無かったし、生徒手帳もない。
町並みも、僕の記憶と完全に一致する物となっていた。・・・あれは夢だったのだろうか。やけにリアルだったがな。
・・・って、あれ?ヤイバはどこに行った?
あ、遅刻かっ!?遅刻なのかコレはっ!?そう言えばオモさんの別荘に行く予定があったハズだ。時計の時間もその予定出発時間の10分前を示している。
確実にヤバい。とっとと髪を整えて・・・じゃなくて!チャオに髪は無いっ!とっとと出かけよう!・・・と、思った矢先、ある物が目に付いた。
・・・たった一つ、残ったチョコだった。誰から渡された物なのか知る由も無い。・・・夢じゃなかったのだろうか。
さて、どうしたモンか。そこまで考えて、僕はそのチョコを持って、まず週刊チャオ編集部に寄り道した。
頑張る熱血オモチャオ君に、本命から義理に変わったチョコを届けようと。
「バカ!10分オーバー!」
・・・20分もかかったっけ。そんな事を考えながら、改めてメンバーを見渡す。
そこにいるのは、所長さんのゼロさんや、パウさんにリムさん、ヒカル、ヤイバ、ハルミ、ミキ。皆チャオだ。
今僕がいる場所はココが一番なんだろう。そう、僕にとってはココが極普通の日常なんだ。改めてそう感じた。
そう考えていた片隅には、ひっそりと、バレンタインチョコの味が記録されていた。・・・とても美味しかった。