第六話 死闘決着
~あらすじ~
クルトと戦うことになったシャドーは一方的にやられるも自分と相手の戦い方の違いに気づき、シャドーは右腕から剣を出した・・・
シャドーの右腕から黒い剣が出てきた。それを見て驚いたのは会場の人全員だった。なぜなら子供で魔法を使える者はごく僅かしかいないからである。当然対戦相手のクルトも驚きを隠せなかった。
「まさか魔法まで使えるとは・・・・・どうやらお前はただの子供じゃないらしいな。なら俺も全力で行くぞ!」
クルトの右腕にある剣がどんどん大きくなり最終的にはさっきの二倍ほどになった。もうクルトも本気でいかなければ負けると頭のどこかで思ったのだろう。
「(この技実戦でやるのは初めてだから正直自信がない・・・だめだ!そんなんじゃ。自分に自信を持たないと!)」
二人はかまえたままうごかなくなった。そしてそのまま数分がたった。
「おーっとこれはどうしたのか両者とも一歩も動きません。いったい何があったのでしょう」
司会がそう言っていると観客の一人が怒って空きビンを二人に向かって投げた。
「じっとしてないで早く戦えー」
観客の投げたビンが命中するまであと10cmというところで空きビンは粉々に砕け散った、と思ったら二人は目にもとまらない速さで動き恐らく二人の剣が接触したときのキンッ、キンッと言う音が聞こえた。
「すごい戦いです。両者とも動かないでじっとしていたと思ったら今度は私の目では追いつけない速さで戦っています。いったいこの戦いを制すのはどちらなのか?!」
「(ばかな!この俺が押されているだと?!こんなガキにか・・・ふざけるな!勝つのはこの俺だ!!)」
クルトは今までよりさらに早く動きシャドーに猛攻撃した。普通のチャオならすでやられていただろう。だが、クルトの猛攻にもシャドーは耐えている。まだ相手に攻撃があたっていないということと相手がまだ子供というのことでクルトはかなり焦っていた。
「(クソッ!なぜだ!なぜあたらない!!こいつ・・・俺の攻撃を完全に見切って防いでいるのか?!・・・・だめだ!俺の体力はもうすぐ限界だ。こうなったら最後の一撃にかける!)」
一方シャドーも似たような事を思っていた。
「(凄まじい攻撃だ!防ぐので精一杯。だが向こうもこれだけ攻撃すれば相手もかなり体力を消耗しているはず!こっちの体力もそろそろ限界だし一気に決める!!)」
そして二人はものすごい勢いでぶつかった。二人は残っている力すべてを自分の剣に込めているので恐らくこのつばぜり合いに勝利したものがこの戦いの勝者になるだろう。そして少しづつだがシャドーほうが押していた。
「(この俺が押されているだと?!ふざけるな!テメェみたいなクソガキに負けてたまるかー!!!)」
今度はクルトの剣が押し始めた。そしてシャドーの剣が折れシャドーのうでを切りつけた。
「はあはあ・・・はあはあ・・・か・・・・・勝っ・・・・・勝った?あああああ?!!!」
いったい何が起こったのかよく分からないと思うので説明しよう。クルトが勝ったといった瞬間シャドーの剣がクルトに直撃したのだ。そして倒れて気絶しているクルトを審判が確認し、
「クルト選手気絶により勝者シャドー選手!」
「(最後にもう一つ剣を出し、クルトの真上に投げておいて正解だった・・・・ぐっ!どうやら俺も限界のようだ)」
ばたっとシャドーも倒れた。観客の声がどんどん小さく、次第に聞こえなくなり意識を失った。