第七十三話 勝利
剣豪「残りはお前だけだ。下手に動けば死ぬぞ」
チャカ「もう、僕が本物だと言う事はバレバレなの~・・・」
剣豪「その通り。死ぬ前に一言言いたいことは?」
チャカ「あるの~。負けるのは、君なの~。」
剣豪「この不利な状況からどうやって抜け出すか知らないが、」
剣豪はチャカの首に剣を向けた
剣豪「死ぬのは、貴様の方だ」
そして、剣豪は力を込めて一気に剣を振り下ろした
剣豪「・・・・・・・・・・・」
剣豪が剣を振り下ろした時に、チャカはいなかった
チャカ「シャドウシックル。」
剣豪「!!?」
チャカは剣豪の背中を斬った
チャカ「シャドウシックル。それは、相手の背後に瞬間移動する技なの~」
剣豪「そ・・・・・・それで妙な自信を持っていた訳か・・・・」
剣豪はふらつきながらチャカから離れた
チャカ「これでも、勝機あるの~?」
剣豪「ある・・・・・・」
剣豪は剣を空に向けた
チャカ「??」
剣豪「秘技・・・・シャイニング・ブレイド!!」
そして、剣豪の剣に太陽の光が当った
辺りは光で包まれた
チャカ「ま、まぶしいの~」
光が晴れた時に、チャカが目を開けると、剣豪の剣は輝いていた
剣豪「これで、貴様を軽く一振りで一刀両断にも出来る」
チャカ「真っ二つにはなりたくないの~」
剣豪「でも、いやでも一刀両断にしてくれる!!」
剣豪はすばやく駆け出した
チャカ「カマイタチ!!」
チャカが鎌を振ると風の刃が剣豪に飛んでいく
剣豪「甘い!!」
剣豪は横にかわしてチャカに切りかかった
チャカ「シャドウシックル!!」
チャカは突っ走ってくる剣豪のすぐ後ろに回りこんで剣豪を斬った
剣豪「がぁ・・・・・・・」
剣豪はすぐチャカのいる方向を向いた
剣豪「相手の背後ばかり狙って・・・・・恥ずかしく思わないのか・・・・・」
チャカ「別にこの大会には背後ばかり狙ってはいけないというルールはないの~」
剣豪「く・・・・・・・・卑怯な・・・・!!」
チャカ「どうしても、勝たなきゃいけないからなの~」
剣豪「どうしても・・・・・?」
チャカ「どうしても、勝たなきゃ、グラウスの仇が打てないからなの~・・・・・・・」
剣豪「仇?」
チャカ「グラウスは、メギドって奴に両親を殺されたの~」
剣豪「だから勝たなきゃいけないのか?」
チャカ「そうなの~!」
剣豪「でも、それは不可能だ!」
二匹は一斉に駆け出した
チャカ「不可能じゃないの~!!」
剣豪「じゃあ、今私を倒してみるんだな!!」
チャカ「不可能を可能にする力・・・・・それは!!」
スパァァァァァン!!と、物凄い音がドーム中に響いた
チャカ「想いの力!!!!」
剣豪は腹を抱えながら静かに倒れた
チャカ「もし、君が世界一の剣の実力者なら、僕達は、世界一の想いの実力者なの~!!」
チャカは、少し苦しい顔をしながら、ドームの中心に向かって歩いた
そして、チャカの腹部には、大きくクロスされた深い切り傷があった
続く!!