この映画は字幕放送です。(?)



「・・・世界を滅ぼそうとしているドラゴンめが!」
勇者とでも言うべきなのだろうか。
いかにも昔のファンタジーの最終面とでも言えるような、渓谷に居るドラゴンとその勇者。

「はああああ!」
勇者が駆ける。そして、いかにもと言うほど炎をかわしていく。
刹那、彼は持っていた剣を深々と差し込んだ。

すると、先ほどまで血のように染められた空の色が青色に変わる。
そして先ほどドラゴンがいた場所には姫がいた。
「姫様!」
駆け寄る勇者。ゆっくりと姫は顔を・・・
「んな・・・」
正確に言うと今までの説明は間違っていた。
そこにいたのは姫でもないただの人形。
そして人形の目を見た瞬間、周りが全て闇と変わった。

「く・・・此処は何処だ。」
すると、今まで居なかったはずの誰かが後から声を掛ける。
「ばぶぅ、まさかこんなイケメンな勇者だったなんてね」
「ばぶ。姫にはもったいないよねぇ。こんなかっこいい男。」
勇者にはこの二人の声に聞き覚えがあった。

「おまえらか!この世界の本当の悪の根元は!赤ちゃん魔女!」
「あらぁ、わたちのおなまえ覚えてくれたのね。感激。」
「見たことしかないけど、姫には似合わないね。」
勇者はその言動についに怒った。

「うるせぇ!おまえらはこの剣で切る!」
しかし、どんなに斬っても斬っても手応えがない。
「ばぶ。でもわたちこんな性格はイヤだなぁ。」
斬っても、
「ばぶぅ、もっとクールになって欲しいでちゅね。」
斬っても、
「だから、次の勇者に望みを託さないとね~。」
斬っても、
「「おまえは、消えちゃえ。」」
無駄。

刹那、黒い閃光が体を通り抜けていく。
勇者は体が石になっていくのが、目で分かった。
「くそぉ・・・」
「あなたは、次はとってもクールにしてあ・げ・るでちゅ。」
「チャオごときがあたちたち赤ちゃん魔女に対抗するなんてね。」

(俺はもう駄目だ・・・誰か、姫を・・・魔法ランドを・・・)



『映画チャオン 魔法ランドの冒険』

「う、う~ん、もう朝か。」
チャドオが目を覚ます。此処はカオスランド。
チャオ系の中でももっとも平和な星と言われている。
「お、チャドオ。今日は速いなぁ。遠足だからか?」
「そういうおまえはどうなんだよ。チャアト」
「ん?遠足だからだ。」

チャアトはチャドオと同じ幼稚園のガーデン(クラスのこと)。
親友でもある。家が隣同士なのだ。
「あはは~チャオン楽しみだな~。」
「おぉ~さすがはボケキャラだ。」
「いや、ここはつっこむべきだろうよ。」

チャオン。史上最強のボケキャラ。
しかし、チャオ的なアビリティでは全て3000を超す。強い。
「さて~皆さん。行きますよ~。」
先生がガーデン全員のチャオに告げる。
「はいはい。さてと、今日の行き先は遊園地かぁ。」
「魔法ランドって言うらしいね。」
チャドオが説明をする。昨日パンフレットを見たらしい。
「へぇ。ハリーOッターのうけ売りかなぁ。」
「いや、人間の受け売りはないだろうよ。」

何やら色々と3人は話していたが、
先生に引っ張られて、バスに乗り込んでいった。
行き先は最近海に出来たアミューズメントパーク「魔法ランド」

続く。

この作品について
タイトル
映画チャオン 魔法ランドの冒険
作者
それがし(某,緑茶オ,りょーちゃ)
初回掲載
週刊チャオ第177号