特別読みきり・チャオ同好会Returns(リターンズ)

俺が高校に入学してからもうすぐ3ヶ月。そろそろ高校生活にも慣れる頃だ。
確かに授業は大変ではあるが慣れたし、友達と言えそうな奴も出来た。
残念ながらカノジョはまだだが、まぁそんなにあせらなくてもいいだろう。

・・・しかし。
これだけは未だ慣れない。

・・・チャオ同好会。


特別読みきり・チャオ同好会Returns(リターンズ)


といっても、やる事といえば放課後毎日部室に行って北川部長のチャオ育てを月島先輩と見る。これだけだ。
俺も月島先輩もやらせてはもらえない。あの部長の性格から推して知るべし。

そしてごくたまに北川部長のワガママでとんでもない事をさせられる。これがチャオ同好会のほぼ全て。


さて、6月も20日を過ぎ、雨の続くある日のこと。
いつものように休み時間を友達と廊下で話していると、月島先輩が慌てた様子でやってきた。

【俺】「あ、先輩!どうしたんすか?」
【月島】「た、た、大変なんです~!」
【俺】「な、何が?」
【月島】「ウチの部長と、生徒会長が・・・」
【俺】「は、はぁ。」
・・・北川部長と生徒会長の間に何があったんだ?
ま、俺にとっちゃどうでもいいや。というか、関わりたくない。

しかし、月島先輩がいる手前、ついていかざるを得ない。仕方なく友達に断って、月島先輩について行くことに。


着いたのは、生徒会室の近くの廊下。
見ると、北川部長と3人の生徒が言い争いをしている。

ん、3人の生徒には見覚えあるぞ。
中央の女子生徒が生徒会長だ。とにかく強気な言動で知られていて、会長になる以前から北川部長ほどではないが校内で知られていたらしい。
左にいる男子生徒が副会長。噂によると、会長と付き合ってるらしいが、あの強気な会長とどうやって付き合うことになったんだ?
右にいる女子生徒が書記。今時牛乳ビンの底のようなメガネをかけていて、素顔は謎。メガネを外すと超美人って噂もあるくらいだ。

【北川】「だ・か・ら、ウチの部員は合わせて98人って言ってるでしょ!それが何で廃部にならなきゃいけないのよ!」
【副会長】「しかしそのほとんどが月島さん目当ての男子の幽霊部員!実質3人じゃないですか!」
【書記】「そもそもその3人以外は部室にすら入れさせてくれないんでしょ?完全に人数確保要員なのでは?」
【北川】「違うわ!アイツら、全然部室に来ないのよ!入れさせてない訳じゃないわ!」

・・・なるほど、やっと生徒会も北川部長に三行半を突きつけようとしている訳か。助かった。頑張れ、生徒会!

【会長】「・・・いい?そもそも、テレビゲームをする部活なんてこの世界のどこにあるのよ!?」
【北川】「だからいいんじゃない!誰もやらなかったことをやる!こうやって歴史は動いてきたのよ!」

いや、意味不明ですってば。

【会長】「第一ああいうものを持ち込むのは校則違反に決まってるでしょ!」
【北川】「それならば校長の許可は取ってあるわ。」
【会長】「そんな脅迫して取った許可なんて有効なはずないじゃない!」

【俺】「しかし、凄ぇなぁ。」
【月島】「あれ程のものは久しぶりだったので呼んだんですけど、言い争いなら毎日みたいですよ?
     あの2人、同じクラスらしいですから。」
・・・あの2人が同じクラスか。さぞかし喧しいクラスなんだろうなぁ。

【月島】「それと、会長さんは1年生の頃から生徒会運営に関わっていましたから、北川部長がチャオ同好会を作って以来あの2人は言い争いばかり。
     犬猿の仲って、こういうことを言うんですね。」
月島先輩、感心してる場合じゃないのでは。

そうこうしているうちに、次の授業のチャイムが鳴った。4人は歩きながら言い争いを続けている。ここまでくると本末転倒のような気もしてきたぞ。
まぁいいや。こっちも授業に遅れたくはないんで、さっさと戻ることにした。


さて、昼休み。
のんびり友達と昼食を食おうと思った矢先、北川部長からメール。部室前に集合、来なけりゃ死刑らしい。はいはい、行きますよ。


という訳で、さっさと昼食を済ませ、部室前に3人が集まった。
【俺】「で、何をするんですか?」
【北川】「生徒会連中め、ギャフンと言わせてやるわ。ついて来なさい!」
【俺】「は、はぁ。」
とりあえず俺は月島先輩といっしょに北川部長についていく。はぁ、嫌な予感しかしねぇよ。


着いたのは、さっき4人が言い争いをしてた、生徒会室の前。
【俺】「こんなところに何の用なんすか?」
【北川】「ここよ、ここ!」
と、彼女が指したのは生徒会室。
でも確か、生徒会が活動するのは放課後で、学園祭前とかそういう場合を除いて昼間は鍵がかかってるはずだ。

・・・ところが、北川部長がドアに手をかけると、簡単に開いてしまった。
【俺】「どういう事なんですか?」
【北川】「もちろんあたしが鍵を盗んだ訳じゃないわ。月島さん、デジカメの準備はいい?」
【月島】「あ、はい!」
どうやら月島先輩は命令されてデジカメを持ってきたらしい。

で、俺達は生徒会室の中へ。
生徒会室は色々な荷物が置いてあり、誰か入ってきても気づかない場合が多い。

・・・そして、物陰から、会長の机のところを覗いてみると。

<続く>

このページについて
掲載号
週刊チャオ第223号+ソニック生誕記念号
ページ番号
1 / 4
この作品について
タイトル
特別読みきり・チャオ同好会Returns(リターンズ)
作者
ホップスター
初回掲載
週刊チャオ第223号+ソニック生誕記念号