~不思議な出来事~

「ただいま」
そういって部屋に入ってきたのはもうお分かりかと思うが、ジルチャである。
「遅かったわね。もう御飯出来てるわよ。」
「さあ、手を洗ってきなさい。」
暖かく迎える両親の声にジルチャは今日の冒険の事など忘れ、一家の時間を過ごそうとしていた。
笛はどうしたか?あの大切な笛はジルチャとアッシュの二人だけの秘密の場所に隠してある。場所は秘密だ。
「今日は何処に言って遊んだの?」
そう問う母に、ジルチャは洞窟の中を探検した事を話した。
もちろん笛の事は伏せて、だが。
「ごちそうさま」
「さあ、今日はもう部屋に戻って寝なさい。」
「うん。」
ジルチャが部屋に戻ると
「!・・・なんだ?」
部屋の一角にある本棚。その中に有るズラリと並んだ分厚い本の内の一冊がまばゆいばかりの光を放っていた。
「・・・この本は・・・確か古代文字で書かれていて読めなかったんだっけ。」
ジルチャは思わずその本を手に取り、適当なページを開いた。無意識の内に・・・
「ハ・・ヤ・ブ・・・サ・・”隼”?この本にも伝説の小動物の話が・・?」
ジルチャは気付いていなかった。自分がはるか古代の文字を読めている事に。
「生息地・・・”天を貫く頂”?」
その名を告げた瞬間っ!まばゆい閃光がジルチャの体を包み込むっ!!
「!?」
ジルチャの意識は遠のいていった・・・。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第22号
ページ番号
2 / 2
この作品について
タイトル
伝説の小動物
作者
羽衣
初回掲載
週刊チャオ第14号
最終掲載
週刊チャオ第22号
連載期間
約1ヵ月26日