~その17・ウインド・ソードのお話~

ここはいつもの通りのあのガーデン。
チャオ達はみんな集まってテレビを見ています。

〈「さあ、君も旅に出よう!このウインド・ソードを装備して!」〉
画面の中ではタンタンが大きな剣を振り回している。
〈「小さいけど頼もしい仲間、ソートとともに!」「小さいはよけいだ!」〉
小さな生き物がタンタンの肩に乗っている。
〈「ウインド・ソード物語、近日発売」〉

「しゅごいですね、お父さん。テレビにでたでしゅ。」 ウーロン
「すごいか?あんなの。」 タンタン
「僕もあれやりたい!あれてってなに?」 オチャ
「あれ?体感ゲームとか言うやつ。ほろなんとかで敵とか、あのソートってやつとかがでんの。で、剣で敵をぶったぎんの。」 タンタン
「ふーん。そういえば、それ何?」 オチャ
オチャはタンタンが手に握っている物を指した。
「これ?これはあれに出たお礼とかいって、もらったの。何下におまけ付きだし。」 タンタン
タンタンは持っていた物を地面に突き刺した。剣だ。柄のところに羽のような飾りがついていて、ソートというやつのぬいぐるみが引っかけてある。

ウーロンはお父さんてすごいな、と思った。
オチャは僕も欲しい、と思った。
ブルーはくだらないけどばらして作り直したりして遊びたい、と思った。
メロンは僕も目立ちたいと思った。
マッチャは何か役に多々無そうなのもらって来たんだな~でもそういうところが好き、と思った。
ロンロンは僕もやりたい、と思った。
マロチャはくだらないな、と思った。

十人十色だなぁ。

ちなみにゲームのストーリーはとある所で探検(ごっこ)をしていた主人公が剣(+ソート)を見つけて旅に出る、というやつである。
何かありきたり(?)である。
ソートは案内とかヘルプとかの役だ。

このゲームのシステムは変わっていて、半径二メートル内に映像をホログラムとして出す。それを剣でぶった切ったり、町でやら洞窟やらを探検するのだ。

ちなみにチャオ用だ。

オチャ達に話を戻そう。
オチャ達は、みんなでそのゲームで遊んでみようと言うことで合意した。(マロチャ以外)そしてゲームのスイッチを入れた。
ちなみに主人公はとりあえず、じゃんけんで勝ったオチャが最初にやることになった。

ブルーはいきなりゲームにハッキングして他のチャオ達もできるようにした。(本来は一人しか参加できない。)やるねぇ。

一番最初は洞窟だった。しかも、ある程度進んだところらしく、出口がなかった。(ブルーが地図を出させた。もちろんハッキングして、である。)ブルーのガイドで進んでいくと、剣が地面に三本刺さっていた。真ん中の一本の上にソートがいた。
「君は誰?僕はソート。君の名前を教えて。」 ソート
「僕はオチャ!」 オチャ
以下省略
みんな自分の名前を言った。
「ふーん。オチャって言うんだ。よろしく!お願いがあるんだけど。」 ソート
「何?」 オチャ
「僕の仲間達を探して欲しいんだ。」 ソート
「それってどこにいるの?」 オチャ
「それは―」 ソート

ぷっつん

ゲームが切れてしまった。どうやら、容量が足りなくなったようだ。
さすがに7体はきつかったかーとブルーがつぶやいた。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第123号
ページ番号
48 / 55
この作品について
タイトル
小さな話
作者
バロン
初回掲載
週刊チャオ第107号
最終掲載
週刊チャオ第124号
連載期間
約4ヵ月