35話
満面の笑みでこちらへと歩み寄ってくるリーフ。
先程何のためらいもなく仲間を斬り捨てた時の表情と比べると全くの別人を見ているようだ。
「どうです、身体の調子は?」
しかし俺は何も答えなかった。
何故か・・・?
簡単な事だ・・・
こいつの顔が・・・性格が・・・やり方が・・・何もかも全てが・・・・
気に入らない。
三年前もそうだった。
目覚めたばかりの俺に奴はいつも質問を繰りだしてくる・・・
「ごたごた言うな 耳障りだ。」
そう言うと奴の動きは止まった。
意外そうな目でこちらをジッと見る。
一緒だ・・・
自分とは全く違う生物を見る目と・・・
「あいかわらずの殺気・・・心地良いですよ」
「なめてんのか?」
「そうだとしたら・・・」
言葉も言い終わる前にチェイルは鎖をたたきつける。
しかしリーフは鎖を回避し、一瞬で剣の届く範囲まで近づく。
「まるで化け物みてぇだな」
戦闘には巻き込まれない所で様子見をしている一人が楽しげにつぶやいた。
右手にはリボルバーを持ち、左腕でがっしりとチャオを捕らえている。
彼の足元に重傷のチャオが這いずってきた。
立ち上がる事もままならないらしいがしっかりと武器だけは己の手でつかんでいる。
デストラク「何故・・お前達が・・・ここに・・・・・?」
―そっか!こいつは何もしらねぇんだな
「あぁ~そりゃ知ってたもん 侵入者が来るって事を」
「人質を助けたけりゃここに来な って言ったのが俺だもん」
「以前お前と一緒に戦ったガキいたじゃん。そいつを捕まえたようにしたらか~んたんにひっかかっちまった。」
「愉快だね~こう敵も馬鹿だとおもしろい・・・おっ?」
話しに夢中になっていて気がつかなかったが聞いてきたデストラクの身体が小刻みに震えている。
こりゃ結構重傷だね、さっさと医者のとこ行って見てもらわないと。
近くに待機している連中に呼びかけようとした時
デストラク「貴様ぁぁぁぁぁ!!!」
怒声と共に数発、銃弾が飛んできた。
被弾は免れたが、遅かったらこっちも重傷患者になるとこだった。
チャチャ「おいおい落ち着けって。奇襲不意打ちはしてナンボだろ?」
しかしこの説得で、落ち着きそうもない。
充血しきった目でこちらに狙いをさだめている。
チャチャ「早めに病院連れてかないと・・・頭までやられてきて・・・・・・る」
あっ! 忘れてた・・・
チャチャ「人質は!?」
ヴァルダ「後ろだぜ!!」
背後から強烈な右フックを後頭部にくらう。
チャチャは5mばかり派手にぶっ飛んだ。
チャチャが体勢を立て直して相手の方を目で捉える。
「あちゃ~あっちも失敗しちゃったか~」
アイ「ありがとうヴァルダ」
ヴァルダ「休憩は終わりだぁ!」