1話
~ G.D.S 第3エネルギー生産所 ~
「この辺でいいかな・・ 通信機は・・あった」
「こちらチェイルです。師匠!そちらの様子はどうですか?」
「チェイル 予定より3分遅れてるがどういう事だ?」
「あの・・・・思ったより警備が多かったので・・」
「屁理屈いうのか?。まぁいい、それといいこと教えてやる。お前が今いるはずの中枢部分には警備機能”生かしてる”から」
「ぅ・・うぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?師匠何してるんですかぁ!?」
「お前は”職人”なんだろう? それくらいできるだろ」
「えっ 師しょ・・」
絶望的な情報を告げられて通信を切られた。
チェイルはまだたくさん叫びたい事があったのに・・・・・
こんな状況で爆弾を仕掛けるなんて・・・無理だよ・・
「不正ID発見!! 不正ID発見!! 不正ID発見!!」
警報ベルが工場の隅々にまで響き渡った。
チェイルの頭には師匠の万遍の笑顔が浮かんでいた。
そんな事をおもっていたのもつかの間、あっという間にサーチライトで姿が照らされていて、複数の警備機械が回りを囲っていた。
ライトに照らされたチェイルの姿は、闇に溶けるようなマントを覆っていて体はまったく見えない状態だ。
「警告警告!ただちに武器を捨て、地面に膝をつき手を両手に上げよ! 従わない場合は・・」
チェイル「仕方がないな・・・。」
チェイルは警告の言う事を聞かず、その場で突っ立っていた。
「捕獲せよ!捕獲せよ!捕獲せよ!」
チェイルのまわりを囲っていた機械がどんどん距離をつめてくる。
「捕獲せよ!捕獲・・・!!?」
機械の動きが止まる。機械も異常に気づいた。
「行動不能 行動不能 」
チェイル「なかなか切れませんよ、この”鎖”は。」
チェイルの黒いマントの中から4つの”鎖”が機械にまきついていた。
チェイル「さぁもうすぐ予定の時間だから・・・」
チェイルはそういうと”鎖”をにぎると空高く放り投げた。
機械が4機ついているのにも関わらず軽々と投げるなんてチェイルの姿からは想像できないだろう。
チェイルはまだ一つ監視カメラが残っていることに気がつくと、
カメラに近づいていった。
チェイル「G.D.S これ以上の身勝手はさせません。この鎖は貴方達の動きを止める為に、手に入れた力です。
ちょっとかっこつけすぎたかな・・」
チェイルはそういうと爆弾をしかけて工場を後にした。