CHATTA!

「よし、これで最後だ。」

GCのチャオに、コンドルを抱っこさせる。
星屑が飛び散り、チャオが回る。
最後に残ってたヒコウが、レベル99になる。
あとは、木の実を食らわすのみ。ガーデンの誰かが転生するまで。
でも、ちょいつかれたな。
そうだ、久しぶりにDCのジュエリーガーデンでも行ってみよう。

DCに電源入れると、時刻セットをさせられる。しばらく電源入れてなかったせいだ。
その後で、ジュエリーガーデンのビジュアルメモリを探す。
あれ?
どれだっけ?
そういや、横置きしたプレステ2の上に確か、三つ置いてたよな?でも、二つしかないや。
…。
おいおい、無くしたのかぁ?
そんな、じゃあまた闇の取引所から、クロ以外の7匹と、ニュートラ五大タイプ用のムーン5匹、計12匹をまたダウンロードするのか?
いや、そんなことより、お稽古覚えさせるほうが、大変だ。
DCの場合、お稽古一巡に20時間かかる。しかも、途中で電源切ると、最初からやり直し。
20時間電源入れっぱなしじゃないと、駄目なんだ。それを、3セット?いや、最初からいるノーマル2匹。こいつらの分も含め、もうワンセットだぁ~!

そんな…、今のオレにそんな時間的余裕も、精神的余力もありゃしない。
どうすればいい?このまま、DCをあきらめてしまうのか?
いや、待て。こんな時は、気分転換に格ゲーでもやって、気を紛わせよう!

オレは早速、ネオジオをひっぱりだした。
基板買うよりは安いと言われたネオジオ。
こいつのハード会社は、セガとクロスライセンシー契約を結んだ。
これで、ネオジオ作品がセガハードに流出してしまうが、セガ作品もネオジオで出来る。
当時、次世代機ともてはやされてたセガサターン。
しかし、完全移植にはまだまだだった。これが、基板買うよりは安いネオジオでなら、完全移植も夢ではない?
その思いから、ネオジオを購入したのだった。
しかし!
セガに流出はすれど、ネオジオに入ってきやしねえ!

某ハード会社の新作が、『三機種同時発売』と言いながら、自社ハードでの発売はしなかった。

アレは、これ以上の衝撃だった。
なにせ、完成度の高いネオジオ版に比べると、明らかに劣ってやがった。
このハード会社公認のオフィシャル情報誌はこの現象を、『他機種でもネオジオ作品が出来るのは、いい事だ。』などと、とんちんかんなことを書いてやがった。
すんげーハラワタ煮えくり返った。
こんな劣悪な他機種版じゃ、ネオジオの名が泣くぞ。

そんな過去の愚痴がふつふつと甦る中、オレは真侍魂をセットする。
当時、何千、何万回とやったもんだった。
持ちキャラ?
そんなのは決まってる。漢は黙って、大自然のおしおき娘だ!!
「こんな最弱キャラ、所詮、萌えキャラだろ。」
誰かがそうほざいた。
オレは切れた。
最弱と呼ばれながらも対戦で連勝する!この醍醐味を、なぜ解ろうとしない?!

駄目だ。
過ぎ去りし日々の怒りがこみあげてくる。
とっとと真侍魂やろう。

「行こう、ママハハ。」

この懐かしい声の元、数年ぶりのプレイだったが、体で覚えた操作感覚は健在だった。
自転車に何年も乗ってなくても、体は覚えてるものだ。って、どこかで聞いたような。
だがオレは、なにか違和感を感じた。
試しに、Cボタンを押してみた。
何も起きない。
なにぃ~?Cボタンが壊れてらあ!
これじゃあ、最弱キャラは警備のお巡りさんに見捨てられたカルガモ親子も同然。

チャオも駄目。ナ○ルルもこれじゃあ、オレはナニをすればいい!?
もうオレのゲーム人生、これまでなのか?

ああ、オレに残された道は、20時間幼稚園なのか?
それと、ゲームボーイアドバンスの9万リング貯めもやらなあかん!


ああ~、チャオ一色だぁ~!

このページについて
掲載号
週刊チャオ第123号
ページ番号
1 / 3
この作品について
タイトル
CHATTA!
作者
あさぼらけ
初回掲載
週刊チャオ第123号
最終掲載
週刊チャオ第128号
連載期間
約1ヵ月5日