チャオを見送る会in夢の森 part2

「おっしゃ!まずはこの森の奥に来い!!」

・・・・・と、銀音が言ったのが30分前。

「・・・ここどこだよ・・」

完全に迷っているゲスト達。
いや、正確にはフォル、カイ、マイル、ルセアの四匹ですが。
周りには木々が立ち並ぶばかりで生き物は見当たらない。

「夢の森とか言っといてめちゃくちゃ不気味じゃねぇか・・・」
「どうするの?」
「下手に動くよりかはじっとしてたほうがいいんじゃないかな?」
「そ・・・そうですよね。」

三人の意見はその場を動かないで助けを待つ・・だが・・・

「俺は自分で探す!!」

約一名、愚か者がいたようで・・・

「・・・困った・・・」

完全に迷った馬鹿一名。
周りを見渡すが、さっき四人でいたときとまるで変わっていない。
だが、日も落ちてきて、だんだん辺りは暗くなっていた。

「おいおい・・・本格的にまずいんじゃ・・・おーーーい!!」

大きな声で叫ぶが、返事は無い。

「・・宴のわりにはずいぶん静かじゃねぇか畜生・・・」

フォルはその辺の木の根元に腰掛ける。

「はぁ・・・おとなしく待ってりゃよかったかな・・・」

今頃反省しても当然遅いわけで・・・
すでに辺りはすっかり暗くなっていた。

「・・・なんか・・眠っ・・・」

ゆっくりとまぶたを閉じるフォル。
そしてそのまま深い眠りへとついた。

 ◆ ◆ ◆

・・・あれ?

「あ、フォル!起きたんだね。」

聞きなれた声が耳に入る。
急いで身を起こすと目の前には


大きなクリスマスツリーが立っていた。


「え・・・なんで・・・」

雪が降っており、辺りは一面雪だらけ。
耳を澄ませばベルの音。
暗くなった空をバックにしたクリスマスツリーを、巻かれたプチライトが照らし出していた。

「すごいでしょ、この雪。ていっても、積もってるのは僕が武器から出した雪なんだけどねw」

カイが笑いながら言う。

「この森にはある言い伝えがある。」

そう言いながら近づいてきたのは銀音だ。

「この森で、ある条件を満たすと願いが叶うというな。」
「ある条件・・?」

ニヤリと笑って銀音は言った。

「夢を見ること、だ。」
「・・・夢?」

キョトンとした顔で見つめるフォル。


夢とは、たいがいは自分の寝る直前の思考から構築されるもの。
己の欲望を空想の中で組み立てたものといえるだろう。
ただ夢を見るだけじゃあ、ここでは願いは叶わない。
だが、その欲望を無心で、何も考えてない頭の中で具現化することができたな  ら。
それは欲望とは言わないだろう。
自己満足じゃない、本当の実現したいという『願い』だ。


「その願いがすべてよいものとは限らん。世界征服を無心で考え付く野郎も前にはいたぜ。だがな、それを実現するかどうかはこの森の管理者である俺が決めることだ。」

フォルの前まで着て銀音は立ち止まった。

「あんたの願い、ちゃーんと届いたぜb」
「・・・この・・クソ作者・・・・」

 ◆ ◆ ◆

「おぉ!フォル!!ついに目を覚ましたか!!」
「もぉ・・・・心配かけないでよ・・・」

笑顔で出迎えてくれたのはテンオウとレンファだった。

「お、お前らやっと来たのか。」
「はっはっはっ、ちょいといろんな所へ走り回っててな。」
「え?」
「やっぱり、最後ぐらい全員揃わないとね♪」

直後、ツリーの影から何匹ものチャオが出てきた。

「よぉ、ずいぶん楽しそうじゃないか。」
「ずるいじゃないですか、みなさん。」
「つか、なんで俺らには招待状が無いんだよクソ作者!!」
「まぁまぁ、結局これたからいいじゃねぇか。」

「レスト!エルフィス!ライド!シルバ!」

その他にも見慣れた顔がたくさん出てくる。

「ま、最後はやっぱ全員集合、俺大集合って好きなんだ。」

またもニヤリと笑う銀音。

「なにぼーとしてんだ。」
「え?」
「テメェが寝てたせいでこっちは待ちぼうけ食らってんだ。さっさと言って来い。」
「・・・おう!!みんな!盛り上げていこうぜぇ!!」

オーーーーーーーーーー!!!


ここは夢の森。
夢が本当に叶う場所
無心の夢を見たならば
ここにて『願い』を叶えよう

このページについて
掲載号
チャオ生誕10周年記念特別号
ページ番号
2 / 2
この作品について
タイトル
チャオを見送る会in夢の森
作者
銀音(銀鉄,マスター)
初回掲載
チャオ生誕10周年記念特別号