第四話 しんにゅうしゃとわすれられたひと

「よ、ようやく戻ってこれました・・・」
息絶え絶え、チャリンは壁に手をついて休む。
「あとは、リングを取ってチャスケの所に戻るだけです・・・」
チャリンは、カギを鍵穴に差し、中に入る。
「さてと、財布を置いていたキッチンにっと・・・」
階段を上がろうとした時、階段の上の方になにやら黒い物体が動いているのが見えた。
チャリンは隅に隠れ、楕円形の目を細くして見て見た。
「あ、あれはもしや・・・」
チャリンは頭の中で、絵本「どろぼうがっこうのゆかいななかまたち」の「どろぼうがっこうのせんせい」を思い出していた。
黒い全身タイツで黒いサングラス。
目の前で動いている物体。それはまさに「どろぼう」であった。

チャリンは、かなりショックを受けた。
どれくらいのショックかというと、【道を歩いているといきなり目の前に雷が落ち、地震と火炎放射器を持った近所の人と津波と親父が一度に来たくらい】びっくりした。

「とにかく、警察に連絡しましょう・・・」
チャリンは、電話をかけようとした。
しかし、電話は二階にあることを思い出した。
二階への階段にはどろぼう(と思われる物体)がいるため、行く事はできない。
「それにしても、階段になにかあったかしら?」
チャリンは、思い出そうとしたが、思い出せない。
「なぜそこにどろぼうがいるのか」ということは考えないことにした。

「・・・とりあえず、外に出ましょう。」
チャリンが、ドアの方に近づいた時、上から階段を降りてくるような音がした。
(ヤバイっ!)
危険を本能で感じたチャリンは、近くの押入れに隠れた。
恐怖で息もできなかった。
降りてきたと思われるどろぼう(と思われし物)は、しばらく探し物でもしているようにそこらじゅうを歩き回った(チャリンの音による推測)後、ドアを開けて出て行った。

しばらく音がしていないか確認してから、チャリンは押入れから出てきた。
「なんだったんでしょう・・・」
チャリンは、ひとまず安心し、ホッと胸を撫で下ろす。
「とりあえず、警察に連絡しましょう!」
チャリンは警察に連絡した。
警察がやって来て、事情聴取を受け、警察の捜査が終わった時、もう日は落ちかけていた。
「さぁ、もう遅いし、ごはんを食べて寝ましょう・・・」
チャリンは、キッチンに向かった。
今日の夕ごはんのハンバーグを作り、チャスケを呼ぶことにした。
「チャスケー、ごはんができましたよー!」
しかし、いつもなら0.5秒で降りてくるチャスケも、降りてこない。
「チャスケーっ!」と、もう一回呼んでみる。
しかし、チャスケは降りてこない。
「どこにいったのかしら・・・」
チャリンは、思い出してみた。

「そういえば、バス停に置いてきていました!」
チャリンは、外に出てバス停へと駆けだした。

このページについて
作者
じぃざむらい
掲載日
2010年2月16日
ページ番号
7 / 18
この作品について
タイトル
チャオタワー建設途中
初回掲載
2010年2月4日
最終掲載
2010年8月22日
連載期間
約6ヵ月19日