チャオと鬼

ある若い女性とおばあさんが住んでいた。

そこは割と過疎化が進んでいて、
遠くからしか親戚が居ないのでほとんど二人きりだ。

若い女性が結婚することになった。

なので、若い女性はチャオをおばあさんにあげた。
そして、もしもの時のためにケイタイも買ってあげた。

今回はヘルパーを雇わなかったわけは、
以前おばさんがこのおばあさんを支えていたのだが、
あまりの重労働に自殺してしまったのだ。
耐え難い苦痛、それを他の人に与えたくはなかった。
あの人は自分の人生を壊してしまったのだから。

若い女性はチャオが懐きやすいことを知っていたので、
おばあさんにあげた。

若い女性は嫁に行った。
全てはこれで良いと思っていた。










































しかし、ある日、おばあさんから電話がかかってきた。

「ねぇねぇ、あのチャオが私にシネって言うのよ。」

次の日も

「あぁ、チャオがシネって言う。助けて、助けて。」

次の日も

「きゃああ!チャオが鬼!鬼!助けて!助けて!」

































次の日、おばあさんは自殺した。



























































葬式を行った後、
チャオがいたので、駆け寄った。
普通の笑顔だった。

「なんだ、大丈夫・・・。」

しかし、次の瞬間、
チャオの笑顔が豹変し鬼のような形相を浮かべた。

一瞬の戦慄の後、チャオはいつかの自殺したおばさんの声でこういった。











































「私の・・・人生を・・・返して。」

この作品について
タイトル
チャオと鬼
作者
それがし(某,緑茶オ,りょーちゃ)
初回掲載
7.16 耐久の鬼誕生祭 in 週刊チャオ(226号)