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クルマのおもちゃ。
チャオタンがチャオレースで勝ち取った賞品です。

「ぶ～ん、ぶ～ん。」
チャオタンはこのおもちゃが大好きです。

「あ、犬のう○こちゃお！あぶないちゃお、ジャ～ンプ！」
チャオタンは、クルマのおもちゃを持ち上げます。
「も一度ジャ～ンプ！」
クルマのおもちゃでご機嫌なチャオタン。
でも、クルマのおもちゃを持ち上げたチャオタンの目に、お友達のチャーマッハ君が飛び込みます。
チャーマッハは、絵本を見ています。

開くたびにお話が違うという、不思議な絵本。

ボクも欲しいちゃお。
チャオタンはそう思いました。

おもちゃとは、レースを勝ち抜いた証。いわばチャオの勲章。
そのおもちゃを持つには、それなりの資格が必要なのです。

ヒトならば、『ボクにも貸して。』と言うでしょう。
しかしチャオには、そんな感情はありません。
チャオタンは思いました。『ボクもゲットするちゃお！』

しかしチャオタンは、ようやくチカラ試しを制覇出来る程度の実力しかありません。
ジュエルレースに出場するのは、無謀以外のナニモノでもありません。

その時チャオタンは、ふとあることに気が付きました。
自分以外のチャオ達はみんな、ソニック達に小動物を抱っこさせてもらっている事に。

ハシリタイプの、チャーマッハに、チャイルトン。
オヨギタイプの、スズキチャイチに、チャープ。
ヒコウタイプの、チャルーダ、チャルキリー、ヒカル。

彼らはみ～んな、そのタイプの小動物をパワーをもらってるのに、ボクだけもらえてないちゃお！
チャオタンは、なんだか怒りがこみ上げてきます。
ひどいちゃお。よ～し、こうなったらボクが横取りしてやるちゃお。

チャオタンは、落ちてる木の実を拾い食いします。スタミナをつける為に。
そんな時、シャドーがハシリ系小動物をいっぱい連れて、ガーデンにやってきます。
シャドーはいのししを抱っこすると、チャーマッハに近付きます。
両手をあげるチャーマッハ。
「今ちゃお！」
チャオタンは横から割り込み、いのししを抱っこします。
悔しげに両手を下ろすチャーマッハを尻目に、いのししに顔をすりすりします。
いのししの生命パワーが、チャオタンの体内に流れ込みます。
その生命パワーは無数の星屑となって、チャオタンの体の周りで輝きます。
そして生体パワーがチャオタンの体内に完全に取り込まれた時、星屑は弾け飛び、チャオタンはその勢いでその場で一回転。

シャドーはチャオタンをギロリとにらむと、今度はチーターを抱っこします。
両手をあげるチャーマッハ。
しかし、またまたチャオタンが横取りします。

こうしてチャオタンは、シャドーが連れてきた小動物１０匹中、７匹を抱っこしました。

今度はナックルズが、ヒコウ系とハシリ系を連れてやって来ます。
ナックルズはコンドルを抱っこして、ヒカルに近付きます。
「今ちゃお！」
チャオタンはまたまた横取りします。
「こんにゃろ～！」
しかしその瞬間、ナックルズはスパイラルアッパーを発動させます。
吹っ飛ぶチャオタンとヒカル。

ヒカルは泣き出してしまいました。
チャオタンは、涙をこらえます。

「あ～、ごめんよ～。」
ナックルズはヒカルをなでなでしたり、抱っこしたり、小動物を抱っこさせたり、木の実をあげたり。
一生懸命ヒカルをなだめます。

ボクには、なにもしてくれないちゃお。

そんなナックルズを見て、チャオタンは悲しくなります。
しかしナックルズはヒカルが泣き止むと、チャオタンに向かって走って来ます。
泣きそうな自分に、駆け寄ってくれるナックルズを見て、チャオタンはうれしくなってきます。チャオタンは、今までおさえてきた感情の雫を抑えきれなくなりました。
号泣するチャオタン。
そこへ走りこんできたナックルズは、右ストレート！！
吹っ飛ぶチャオタン。
渦巻きぐるぐるでうつ伏せに倒れるチャオタン。
何が起きたのか理解出来ないチャオタン。
しかし、すぐに背中に激痛を覚えると、またまた吹っ飛びます。
ナックルズのドリルクローがチャオタンの背中を貫いたのです。

今度はチャオタンは、お池に落ちました。
「ぷは～。」
チャオは、泳ぐことが大好きです。
チャオタンも無邪気にぱちゃぱちゃと泳ぎだします。