~ミッション5 スペースコロニーARKへ~

チャオサイドストーリーinSA2B  裏のお話 ~ミッション5 スペースコロニーARKへ~

「・・・・これ、スペースシャトル・・・・?」
いろいろと仕掛けをくぐりぬけ、エッグゴーレムをぶち倒して、僕らは、エッグマン基地のスペースシャトル格納庫にやってきた。
「・・・見たことあるんじゃねぇの?GUN出だろ・・・?」
「んー、見たことない。」
ぼくはくすっと笑って、少し小さい声でつけくわえた。
「少なくとも卵オヤジの柄がついたのはね。」
ピラミッド~な雰囲気のエッグマン基地スペースシャトル発射台(らしきもの。)。
ソニックさんたちは、僕を連れてここまでの仕掛けを難なく突破し、エッグゴーレムとやらをこてんぱんにしてここへたどり着いた。
いま、あの卵オヤジはこわれたエッグゴーレムと奮闘中で、僕らはこっそりそこをぬけてきたのだ。
それにしても、エッグなんとヵとかいう卵親父の隣にいた、へんなマスクをかぶったダークチャオが気になったが、それどころではない。
このやたらでっかくて、へんてこで、卵親父の絵のついたスペースシャトルを─ボクが操縦しなくてはいけないのだ。
なんだか、緊張して心臓がカエルみたいに飛び出してしまいそうだった。
「なんだ─えっと、アロマとかいったな、お前。それじゃあ、操縦たのむぜ!」
心臓が本当に飛び出しそうになる直前にソニックさんに肩(なんてほとんどないに等しいけど)をたたかれたので、ボクはびくっとした。
「できないよ─ボク、スペースシャトルの操縦なんて、できない。」
ボクは力なく笑って言った。
「ボクがGUNにいたころに一諸だった、幼馴染のコロンならできるんだけど─免許持ってるから─」
遠くのほうから、まだかすかだけれど、聞き覚えのある激しい音がした。
「じゃ、呼んできてくれねぇか?」
ナックルズさんが聞いたが、ボクは落ち込んだ声で答えた。
「無理だよ、ボク、携帯も無線もなんにももってないもん。」
その音はどんどん大きくなる。なにか、ちかづいてきているのだろうか?
「あぁ、いまここにコロンがいればなぁ─」
その音がさらに激しく、大きく聞こえる。もしかして、この音は─?
「チャ~オ~!CHAOのチャオじゃないわよ!挨拶のチャオね─やっほ~♪三日ぶりね、アロマ!」
「コ・・・・コロン!?」
あのやたらハイテンションな声は─コロンの声だ。
そしてあの激しい音は─GUNのヘリコプター!?
どうやら、壁を知らぬ間にこわしてきたようだったが、この音にかき消されてその音もきこえなかったのだろう。
「ちょ・・・ちょっと、え、なんでコロンがこんなとこに・・・任務は?」
ボクはビールのビンでも口に突っ込まれたみたいに口をまるくぽかんと開けて、あっけにとられてGUNのヘリを見て言った。
「任務ぅ?そんなのすっぽかしてきたわよ!途中でモクハさんに会ったから!話はぜぇ~んぶ聞いたわ。あとね・・・」
コロンがヘリのコックピットの窓から出していた頭をひっこめ、だれかを呼ぶような仕草をした。
誰かがコックピットの窓から頭を出す─あの、光るカオス特有のポヨは─
「じ─純君!?」
純君はにっこりしてボクとソニックさんたちに手を振ったが、またコロンのほうに向き直って、なにかぼそぼそとつぶやいていた。
「ウワ、このシャトル、宇宙行くために使うんでしょ?やだよぉ、なんでこんなことにまきこむの?」
「だって、アンタだってカオスチャオでしょ?なんか役に立つかもしれないじゃない。」
「そ・・・そんな、ボクなんか、どうせ、何の役にもたちやしないよ。二人はすごいなぁ、GUNでいっぱい任務こなして・・・ボクなんか、やった仕事といえばモクハさんのかんたんな研究の手伝いと郵便配達だけだもん・・・僕がなんの役に立つって言うのさ・・・」
二人はさっきよりは小さな声で話していたが、会話は下までつつぬけだった。
それに、純君が本当に落ち込んでいるのを見て、ちょっとコロンはまごついた─コロンは、こういうことが苦手なのだ。
コロンはその場のムードを追い払うようにしてまた大声で叫んだ。
「私がシャトル操縦してってあげる!ヘリはここにおいてくわ─ぶちこわしちゃっていいわよ。」
コロンは快活に笑ってそういったが、僕はとても笑えなかった。
「そんな、任務中に勝手に宇宙なんかいって─しかも指名手配の犯人に手を貸すために─しかもヘリをここにおいてっちゃったら、GUNクビになっちゃうよ!」
そういうとコロンは─めずらしいことに─悲しげに力なく笑った。
「そんなこと、百も承知よ・・・でもね。」
また、コロンは、悲しげに、でもどこか気体に満ちた顔で言った。
「アロマだって、だからGUNに入ったんでしょう?─」
コロンは、純君を残したままヘリから飛び降り、ボクのそばに駆け寄って─
「みんなのため─んで、あんたのためよ、アロマ」
そういって、これまでみせたことないような、それでもまだじゃじゃ馬っぽさがただよわせて、優しく微笑んだ。

修正遅れてすみません。
続く☆

このページについて
掲載号
週刊チャオ第117号
ページ番号
10 / 24
この作品について
タイトル
チャオサイドストーリーinSA2B
作者
ぺっく・ぴーす
初回掲載
週刊チャオ第107号
最終掲載
週刊チャオ第130号
連載期間
約5ヵ月11日