プロローグ

｢謎の男｣

｢ここは･･･?｣
男が目覚めた場所は､とてものどかなところであった。
花は咲き､鳥は歌い､川には澄んだ水が流れる。
そこはまさに､楽園という名が相応しいところであった。
｢俺は一体･･･｣
男は次の瞬間､自分の身に何が起こったのかを思い出した。
男にはこの風景を眺めながらゆったりと過ごしていられるほど､
時間の余裕は無かったのである。
｢急がないと･･･。｣
男はすぐに立って歩き始めた。自分のいる場所はわからない。
どの方向へ進めば良いのかもわからない。
それでも男は､何かに連れて行かれるかのように歩き始めた。
｢奴が目覚めてしまう･･･。｣

　　−３日前−