~宇宙の神秘編・戦いの果てに(後編)~ ページ8
「えぇいこんな生易しいものではダメだ!ブルー君、シンバルゴー!」
「自分で鳴らしてください」
「役に立たんヤツめ!貸せ!いくぞ、いち、にぃ、さん!」
くぁ~~~~~~~~~~~~~~~~ん。
やかましいシンバル音がガーデン中に響く。最も至近距離で聞いたのはイエロー隊員のはずだが、覚醒する気配は全く無い。
…ドドドドドドドド…
ちょうどシンバルの長い音がなり終わった時、土埃をあげながらなにやら凄いスピードでブルーに近づいてくる物体があった。
ココしばらく封印されていた、ピンク隊員だった。
「ブ・ル・ーさん!」
「な、なんでしょう?」
「貴方!なぜわたくしを呼ばないのです!」
「なんのことですか?」
「昨日、宇宙人様が帰ってしまったと聞きました!」
「…あぁ、そうですね。帰りましたよ」
「なんてことを!わたくしが不在の間に何故やすやすと返してしまうのです!ひきとめなさい!」
「僕に言われても。リーダーに言ってください」
「レ・ッ・ドさん!貴方は何故……!」
そして、ピンクとレッドの不毛な言い争いが始まり、それはしばらくずーっとつづいた。
「やれやれ、ピンクさんにもレッドさんにも困ったものです。さて、僕はこの好きにヒーローガーデンの方にでも避難するとしますかね。のんびり昼寝でもさせてもらいます。…何か忘れているような気がしないんでも無いですが、まぁ思い出さないということはたいしたことではないんでしょう。それでは失礼します」
別に誰に言うでもなく、ブルーはぼそっと呟いた。
完
「……お、おさまった…」
「キャーッ、チャオーッ!」
ちょうどその頃、日を跨いでトイレで孤軍奮闘し、見事生還を勝ち取ったしわくちゃにしなびた胡瓜みたいなグリーン隊員がトイレから出てきたのを目撃し、オモチャオが悲鳴を上げた。
完