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レッドの口から出た名前を聞いて3人は押し黙った。
「…まさか、んなことあるわけねぇだろー、ばかばかしい」
引きつった笑いではははと笑うグリーン。
「…ちなみに、発見されたヘルメットの二つあるベルトの内、左側が切れていたそうだ。観察力と記憶力の優れているブルー隊員なら、何か心当たりがあるのではないかと私は期待しておるのだがな」
すべてを悟りきったような笑顔でブルーに問いかけるレッド。確実に今の状況を楽しんでいる笑顔だった。
「…あ、あるのか?」
「――…」
グリーンの問いに、ブルーは答えなかった。
…
―ミスティックルーイン・夜―
虫の羽音が奏でるメロディに包まれたミスティックルーインのはるか上空では、昨日と同じく無数の星が瞬いていた。
人工的な音は一切無い、とても静かなその場所に、その声はとてもよく響いた。
――見つけてくれて、ありがとう。
その言葉は誰の耳にも届くことなく、闇に溶けて消えた。