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第五話

「皆の衆!今日もひじょーにいい天気である!こんな日は外に出て遠路はるばる飛んできた花粉達を思い切り吸い込んでやるのが一番だとは思わんかね!」
レッドが叫ぶ。
「そんなことが言えるのは当然のことながら花粉症という名の呪いをかけられていない人のみです。いいですねあなたは、花粉症に嫌われていて」
ブルーが言う。
「ふぁーっくしょん!ふぇーっくしょん!ふぉーっくしょん!…あ゛ームカつく!…はーっくしょん!」
グリーンがハクション大魔王。
「あぁもう、さっきから耳障りですわ!どうしてこう、もっと上品に…くしゅん!」
ピンクが怒る。
「Zzz・・・」
イエローが寝てる。

「何を言うかブルー隊員!彼らは苦労して杉の木の戒めを己が力で外し、右も左もわからぬ都会にその足を踏み込むのだよ!彼らを丁重にもてなし、人の温もりを教えてやるのが彼らに対する礼儀だとは思わんかね!それなのに愚かな人間やチャオどもは何の罪も無い花粉達を理由もなしに忌み嫌う!全く持って不愉快だ!彼らの主張を聞いてやろうとはしないのか!?」
「杉の木には限りませんし、田舎にだって飛来しますし、飛んでこれるのは風力のおかげです。嫌うのにも理由があります。花粉達の主張も聞けるものなら聞いてみたいですね。話し合って停戦協定でも結びたいですよ。花粉との意思疎通が可能になるのはいったいどれぐらい先の話なんでしょうかね」
「安心したまえ!私の手にかかれば明日にだって可能にしてみせる!そうすれば花粉とおしゃべりし放題だ!他愛もない雑談からこの国の行く末について、ちょっとHな話まで何でもござれだ!君達も明日から花粉と友達だ!今から何を話すか考えておくといい!」
「アリのフン程度の期待をして待っていますよ」

毎回飽きもせず朝っぱらからよくしゃべるなぁこの二人、と思いながらグリーンはくしゃみをし、ピンクは鼻をかみ、イエローは寝てた。

Q、あなたたちは五人組です。目の前にはひとつのケーキが置いてあります。さてどうする?
A、弱肉強食。

即答しそうな彼ら。
彼らこそ悪人から世界を守るために結成されたスーパーチャオの集団(特殊な能力は全くないが)
自称チビッコ戦隊チャオレンジャー!人呼んで駅前の放置自転車軍団である!(要は邪魔)

前回の話を途中でぶった切って放置してから早10ヶ月。
しかも放置した作品を完結させないで新しい話に無理やり移行。
私が言えることはただひとつ。ごめんなさい。
完成していない話の続きはまあ人間が火星進出を果たしたときにでも。たーん(狙撃音)

「さーて今日の活動内容はだな!とりあえず自由をモットーとする我らがチャオレンジャーにとって明確な目的というのはむしろ邪魔な足枷にしかならないのであって、つまり己が気の向くまま風の向くまま、銀座のママの言うがままにあちらこちらへ赴くことこそ人類の原点にその目を向けるための重要な足掛かりになりうる気がしないでもないような、要するに何も考えていないのだ!誰か意見のある者は挙手!」
「意見も何もですね、やることがないなら呼ばないでくださいよ。用もないのに朝っぱらからたたき起こされて、僕たちは非常に迷惑してるんですよ」
「バカモン!全くわかっていないなブルー隊員!我らは年中無休24時間稼動コンビニ体制で世界の平和を守らなければならないのだ!いつかやってくる悪者に備えて毎日の厳しい修行は欠かせんのだよ!君もチャオレンジャーの一員ならそれぐらいわかっているだろう!」
「好きで一員になったわけではありませんし、今まで何度も脱退の意思表示をしてきたはずなんですがねぇ。というわけで今ここで改めて脱退表明をさせていただきます。脱退させてください」
「断る!」
「何故です?」
「君は世界を守るために我が隊に入隊したのではないのかね?一度刻んだ決心を踏みにじるようなマネは許さん!」
「ですから僕は好きで入隊したわけではないと」
「シャーラップ!」

ブルーの言葉を豪快にさえぎり、清々しい青空に向かって清々しくない顔と声で高らかに叫ぶ。

「我らは今回大いなる転機を迎えた!それがいったい何なのか!わかるかねグリーン隊員!」
「今俺に話しかけるな…どうなっても知らんぞ」

くしゃみ鼻水目の痒みと、花粉症状に叩きのめされて現在不機嫌度MAXのグリーン隊員。その周りはティッシュ天国。

「ではピン」
「うるさいですわ」

不機嫌度MAXオーバー。非常にDENGERです。高エネルギー反応確認!迎撃不能!至急総員退避!うわあああ!

「むむう…。じゃあイエロー隊員!」
「Zzz・・・」

花粉症?何それ、おいしい?

「全くドイツもコイツもイタリアも!みな花粉症なんぞにやられおって!頼りになるのは君だけだブルー隊員ってうわぁお!」
「なんてわざとらしい驚き方をするんですか」

レッドがわざとらしく驚いた理由。それは、ブルーがさっきまではつけていなかったサングラスを装着していたからだった。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第164号
ページ番号
1 / 9
この作品について
タイトル
チビッコ戦隊チャオレンジャー!~ミステリアスミスティック編~
作者
宏(hiro改,ヒロアキ)
初回掲載
週刊チャオ第164号