~続々・木枯らし編~ ページ5
―翌日・AM10:00―
保健室のベッドの上にグリーンはいた。結局あの後ウィルスの総攻撃を食らい、ダウン。3日は絶対安静といわれるまで悪化させてしまった。
「まぁったく!正義の味方ともあろうものが情けないぞグリーン隊員!」
赤いボディカラーの彼も何故か居た。ちなみにレッドはついさっき厳重注意と感謝状のダブル受賞を終えたばかりである。
まず、社長からガーデンを穴だらけにしたことに対する厳重注意を受け、次に警察のほうから犯人逮捕に協力してくれた事に対する感謝状を受け取った。
レッドは穴を掘っただけなのだが、何故か感謝状を受け取る時は鼻高々で、
「いやなに!正義の一段として当然のことをしたまでである!うむ、これからも難事件が立ちはだかった時はいつでも我らの事を活用してくれたまえ!なぁに遠慮する事は無い!我らチャオレンジャーに不可能は無い!」
と高らかに猛烈PR。なんか警察のほうも妙に乗り気で、ホントに依頼されたりしないか同席したピンクは不安に思った。
そして、今度は青いボディカラーの彼が喋りだす。
「いや、僕らが無い間になにやら色々あったようで。グリーンさん、ピンクさん、お疲れさまでしたね。いや僕はひたすら落とし穴の捕獲状況確認につき合わされましてね。いやぁ地味だし疲れるし達成感はないしで悲惨な一日でしたよ」
じゃあやるなよ。聞いていたグリーンは声には出さず心で思った。
そして次は桃色カラーの彼女。
「ホントに大変な一日でしたわ。誰かさんがガーデン中穴だらけにしなければこんな事にはならなかったのですけれど」
最後のほうは語気を強めて言った。
しかし、その誰かさんには反省のはの字もみつからない。
「何を言うか!わたしがトラップを仕掛けたからこそ!犯人逮捕に至ったのだ!うむ、そんなに感謝せずともよいぞ」
「あなたのせいで怖い思いをした少女がいるのです!少しは反省してください!」
まったく、といった表情で腕を組みレッドをにらみつけるピンク。
レッドはそんな視線はお構いナシに、ベッドをトランポリン代わりにして笑いながら飛び跳ねている。変態。
「……どーでもいいけどよ」
グリーンが呟いた。
「お前ら、すっげー邪魔」
グリーンのベッドの周りをチャオレンジャー隊員…つまり、レッド、ブルー、ピンク、ついでにイエローががっちり固めているのだった。
何故って。理由は無い。
「グリーン隊員。せっかく見舞いに来てくれた者たちにたいして、それはあんまりな対応ではないかと思わんかね?」
「病院内のベッドで飛び跳ねるなんて非常識な事しておいて何が見舞いだ」
「私の体は常に動きたがっておるからな。常に動いていないと落ち着かんのだ」
「だったら外でやれ」
「それでは見舞いにならんだろうが」
「すでになっとらん!」
「何を言う!わたしは…」
「うるせー!邪魔だ!失せろ!消えろ!」
「なっ!グリーン隊員!いくら私が宇宙空間のような広さの心を有しているとはいえ今の発言は許しがたい物があるぞ!」
「うるせー!でてけー!」
ギャーギャーギャーギャー。
「みなさ~ん。ココは保健室ですよ~。静かにしましょう~」
「ふぅ。わたくしそろそろ帰らせていただきますわ。ごきげんよう」
「Zzz・・・」
ブルーの注意は完全無視。ピンクが帰った事にも気づかず。イエローにいたっては存在抹消。
赤と緑のピーマンコンビは、いつまでもいつまでも騒ぎ続けた。