~ぎんぎらぎんにさりげなくない編~ ページ6
そういったとき、後ろの二人が何度も頷いた。
そしてグリーンが前に踏み出して、
「俺達は、別に劇なんてしたくないんだよ。俺は夏を自由に謳歌したいのに…!」
ソレを聞いたリーガルは突然大声で笑い出すと、
「かっかっか!まぁいいじゃないかぁ。あの赤いのも毎日暇で退屈なんだろうよ。それにお前らチャオだけで何かを成し遂げようとするのは、いいことだと思うぞ。本番は8月7日か…。ま、ちっと早い夏休みの宿題だと思って付き合ってやったらどうだ?」
「…そんなもんかぁ?」
「そんなもんじゃ。ま、頑張れ。ワシも見に行ってやるから」
「別にきて欲しいとも思わねーし」
「なんじゃコイツ、お?」
「いででででで!」
「仕方ありません。僕達も帰りますか」
「仕方ありません。私たちも帰りましょう」
ブルーとピンクは、コブラツイストをかけられているグリーン隊員を見捨てエレベーターに乗り込んでいった。
「いででででで!ぎ、ぎぶ!ぎぶ!」
…
―チャオガーデン―
「ついに!やっと!待ちに待った練習を開始する事が出来るぞ!」
「誰も待っていません」
「さーてまずは配役等々を決めなければならんな!」
「結局まだ練習できないんですね。ついでにタイトル等も何も決まっていませんよ」
「今から決める!」
来て早々このクソ暑い中漫才を始める赤唐辛子と青唐辛子を、ピンクは心底呆れた目で見つめ、グリーンはあちこち痛がり、イエローは寝てた。
そして赤青コンビの暴走を止めたのは。ピンクでもグリーンでもましてやイエローでもなく、少なくともチャオレンジャーのメンバーにとっては全く予想外の人物だった。
「あのー」
「ん?」
全員一斉に声がしたほうへ振り返ってみると、そこには人間の少年が立っていた。それをみた隊員達は、また全員一斉に頭のポヨポヨをクエスチョンマークへ変形させるのであった。