第二章 二一話 「闘技場
大きな爆音と共に、矢が当たった所の地面が、砕け散った。その破片
が、なぜかは分からないけど、クロスケに向かっていった。そして、横
から一気に岩の破片がクロスケにぶつかってしまった。
「ぐっ・・・!」
静かに言葉をこぼしたクロスケ。そこでズークが片手と両足でクロスケ
から三十歩ほどの所に着地して、
「これでも喰らえ!疾風!」
そう言うと、何本かの矢をクロスケに向かって放つのです。
「なっ」
ズークにはなった矢はクロスケの両足をかすりました。そのまま後ろの
壁に矢がぶつかったかと思うと、またズークの矢が飛んできたのです。
「ちぃ」
クロスケは、カウンターを張りました。ズークの矢に向かって。けれ
ど、カウンターを張った直後、
「甘い!落雨牙!」
ズークはまた矢を放ちました。ただし今度はズークを直接狙ったのでは
なく・・・