第二章 二十話 「動き出した”絶望”
チャオ歴7×年・・・
丁度レクスがDビルに進入してから何十年かたった頃、動き出している
黒い影があった。そう、ラル達である。その場所はDビル、封印がとけ
たラルはまず、昔仲間であった”ライン”を封印している一族よりライ
ンの封印を解き放ち、ラインの力、”時間の移動”を(ラインについて
の詳しいはなしは「突然の来客」で)使い未来へ移動し、力を蓄えてい
る途中にあった。
~Dビル最上階の、とある洋室~
二匹の見覚えのある姿と二匹のまだ子供のチャオ(ガーデンピュア)、
そう、ラルとライン。見覚えのある二匹のチャオは、どちらも戦った事
があるようなチャオだ。その四匹のチャオは、何もかも知っているよう
な言い方で、一つのテーブルを囲み、激しい口論を繰り広げている。見
覚えのあるチャオは控えめなのだが、ラルとラインが・・・(^^;
「しくじったの?。情けないね。あんなにべらべらと喋っていたの
に。」
最初に口を開いていたのは、子供っぽさがあるラルだ。これでも何か、
高い身分らしいが・・・
「はっ、申し訳ありません。ただ、あのような力を隠し持っていたなん
て知らず・・・」
この返事をしたのは見覚えのあるチャオ、そう、マリンが仲間になった
すぐ襲いかかってきた、DPチャオだ。
「そんないいわけ・・・」
そうラルが言いかけると、ラルと同じような姿をしたラインが、割り込
むようにはなしに頭を突っ込んでくるのだ。このラインというチャオは
ラルとは対照的な性格を持ち、他の同じ歳のチャオ、いや、それより上
のチャオよりも、大人っぽいチャオだ。
「いいじゃないですか。本当に彼も知らなかったのですし、それより話
しておかなかった我々がいけないのではないですか?。」
もっともな反応だ。だが、ラルはこれに頭にきたのか、テーブルを何回
もたたき、三人を怒鳴りつける。
「うるさい!。失敗したことには変わりないんだろう!。レクスを捕獲
する、これがどんなに重要なことかしっているのか!?」
「しかたない、どのみち、たった”四人”では、”大樹”を、見つけだ
した、としても、そのCAOSの”源”を入手するのは、不可能に、等
しいです。」
この聞き慣れたカクカクしたしゃべり方、そう、このチャオは、トビワ
ンが戦ったあのレイだ。
その後、長く話し合い、戦力を整えるという結論が出てから、レイとD
Pチャオ(名前はまだ出ません)は、部屋を出て、それぞれ時間を自由
に使っていた。これから起こる前触れか、ラインとラルは、さっきの部
屋で何かを話していた。
「彼らに、どこまであのはなしを信じていただけるのでしょうか。兵が
増えると勘づく兵も、少なくはないはず。」
そこで、ラルは、少し頭を抱えてから、一番頭に思い浮かんだ答えを出
した。
「まぁ、その時はその時だ。反乱がおきたとしても、すぐに止められる
だろう。場合によっては、あの力を使えば・・・」
そこで困ったように顔をしかめてラインが答える。
「ちょ、ちょっと、そんなことは言わないでよ、それから僕はどうすれ
ばいいんだよ!」
そこであわててラルがラインの方を軽くたたいて、
「冗談だよ。」
と、静かに落ち着かせた。