~完結編~

新登場チャオ
名前:シン 幼稚園にいるチャオ。人生(チャオ生?)に疲れている感がある。



では話をどうぞ~




とあるチャオガーデンには諦めの悪いチャオがいます。このチャオの名前はギルといい、チャオガーデンから逃げ出したくて、脱出作戦を練っては失敗ばかりしていました。

「もう諦めなよギル。僕いい加減疲れてきた・・・。」

呆れてため息混じりに言ったのはケイト。ギルの親友で、相談には乗りますが逃げ出すことには反対しているチャオです。

「うるさいな!人の・・じゃなかった、チャオの勝手だろ!」

ギルが怒鳴りながら答えます。どうやら作戦がことごとく失敗し、イライラしているようです。

ギル「大体、何故チャオは自由に動けないんだよ?!理不尽だ!」

ケイト「何故って・・・そりゃ君みたいな逃げ出すチャオがいたら困るからだろ?手塩にかけて育てたチャオがある日いきなり『逃げました。探さないでください。』とかいっていなくなってたらかなり切ないじゃないか。」

ギル「うっ!反論できない!」

そう、ギルは2回転生していますので、手塩にかけて育てられているほうに入るのです。

ケイト「もう諦めろよ。・・・何回言ったんだろこの台詞。
    まあいいや。とにかく君はカオスチャオになる運命なんだ。」

ギル「勝手に決めんな!俺のチャオ生を!」

こういう下らない言い合いをして10分後、テイルスがチャオガーデンに入って来ました。

ケイト「!!・・・来たぞ、悪魔の手先が・・・!」

ギル「ああ~・・・俺はもう駄目だ!終わった・・・」

と、ギルが意識を手放そうとしたとき、ギルはテイルスに拾われ、ガーデンの出口に向かっていました。

ギル「・・・?なんだ?」

ケイト「・・・?どこに連れて行く気だ?ギル!気をつけろよ!」

ギル「わかった。短い別れであることを祈る!」

こうしてギルとケイトは別れ別れになってしまいました。

ギルの連れて行かれた先はは幼稚園でした。

ギル「幼稚園か・・・久しぶりだ。」

そうして保健室で診察してもらい、名前を変えられるのかとビクビクしつつ、教室に連れて来られました。
そうして、預けられ、テイルスは幼稚園から出て行きました。

ギル「今回の学習内容は・・・うた・・・めんどくさ!」

???「まだましだよ君は・・・。」

突然知らない声がしました。

ギル「!?誰だ!」

???「私?私の名前はシン。1年以上も幼稚園に預けられっぱなしのチャオさ・・・。」

ギル「1年以上!!?・・・大変だな・・・。」

シン「そう、学習内容はうたばかり・・・しかも同じフレーズばかり・・・もういい加減つれて帰れって話さ・・・」

ギル「・・・脱走しようとは思わないのか?」

シン「脱走?ははっ!もうそんなものする気も起こらないね。」

ギル「何故?」

シン「する元気がないのさ。考えてみろ、1年以上断食だ。物理的に時間は経たないとはいえ、気分的に最悪だ。君は耐えられるか?
   ・・・もう疲れたんだ・・・」

ギル「・・・・・・」

それを聞いて、ギルはどう答えればいいのかわかりませんでした。
自分はシンに比べて、なんてわがままなんだろうと思い知りました。

それっきり、授業が始まって終わるまで、ギルはシンと一言も話をしませんでした。

授業が終わって、ドアの外から足音がしました。きっとギルを迎えにきたのです。

シン「・・・迎えが来たようだな。」

ギル「・・・そうみたいだな・・・」

シン「達者でな。」

ギル「ああ・・・
   なあ、シン。俺らって友達か?」

シン「短い時間、少ない会話でも話し合ったら友達だと私は思ってるが?」

ギル「・・・ありがとう。俺、シンがガーデンに来るの、ずっと待ってるからな!」

シン「・・・こちらこそ。いつ戻れるか知らないがな・・・。」

そう会話して、ドアが開き、ギルは行くときと同じようにテイルスに連れられて、幼稚園から去りました。

ガーデンに戻ったギルは、ケイトの質問攻めにあいました。
事のいきさつや、シンのことを話しました。

ケイト「・・・いろんなことがあったんだな・・・早く戻れるといいな。」

ギル「ああ・・・。」

そうしてしんみりとした空気が流れ、30分位経つと、ギルは思い立ったように叫びました。

ギル「よし、とりあえず、脱出計画を練って、俺とケイトが逃げ出し、そしてシンを迎えにいけばいいんだよ!」

ケイト「・・・そんなうまくいくか?」

ギル「うまくいくように作戦会議するんだよ!」

ケイト「・・・だから僕を巻き込むなって・・・。」


その一ヵ月後、とあるチャオガーデンから3匹がどこかに消えました。
そのうち1匹は幼稚園にいたチャオらしいのです。
しかし、どこを探しても、そのチャオ達は見つかりませんでした。
今、そのチャオ達は自由に世界を旅しているのだそうです。

END

このページについて
掲載号
週刊チャオ第166号
ページ番号
2 / 2
この作品について
タイトル
チャオの企み
作者
白露
初回掲載
週刊チャオ第166号