アザワライ一神教　～みんな正義の味方に盲目なのっ！～

　暗い繭に包まれた日に　違う姿になった日に
　ぼくを見たあなたがこう言った　きみは悪い子だね


　なにも知らないコドモたちが　なにか知った口でこう言うんだ
　オマエハワルイヤツナンダ　なにも知らないくせにそう言うんだ
　なにも知らないコドモたちは　なにか知った口でこう言うんだ
　テンゴクニイッテミタイナ　なにも知らないくせにそう言うんだ

　だけどぼくは知っているんだ　天国には褪めた空がある
　寝惚けたオトナたちがうたう　平和はとうに色褪せてる
　それにぼくは知っているんだ　地獄には冷めた空がある
　望遠鏡がナミダ流すくらいに　星々は輝きを失っている


　暗い繭に包まれた日に　違う姿になった日に
　ぼくを見たみんながこう言った　キミハワルイコダネ


　あたまの悪いオトナたちが　あたま良さそうにこう言った
　君は正義にはなれない　あたま悪いくせにそう言った
　あたまの悪いオトナたちは　あたま良さそうにこう言った
　君は悪にしかなれない　あたま悪いくせにそう言った

　だけどみんなわかってるはずなんだ　この世には偽善者しかいない
　気が楽になるって理由だけで　みんなだれかに背を預けてんだ
　それにみんなわかってるはずなんだ　この世には偽悪者しかいない
　理解できないって理由だけで　みんな自分しか信じられないんだ


「――――」

　だからみんなわかってるはずなんだ　この世に神様なんかいない
　それは誰かに神と呼ばれただけで　神の器があっただけで
　だからみんなわかってるはずなんだ　神になれる奴なんかいない
　寄って集って寄っかかって　神を殺してるのはあんたらなんだから


　暗い繭に包まれた日に　違う姿になった日に
　ぼくを見たあなたにこう言った　キミはワルイコだね