不明

機械としての僕

小動物を集める僕
無限キャプチャーをする僕
額がすり減るくらいチャオを撫でる僕

これがすごくつまらない


・・・


人間としての僕

チャオに攻撃をする僕
チャオのえさを根こそぎ池に投げ捨てる僕
泣いているチャオを見て笑う僕

嗚呼 これがすごく楽しい


・・・


人を傷つけられる何かを持って暗闇を徘徊し
人を犯せる力を持って足音を忍ばせる

嗚呼 これは空想? それとも現実?

車さえ壊せるそれを何度も小さい命にぶつけ
ただ生きようともがくその小さな口に水一つ入れない

嗚呼 これは空想? それとも現実?

脳みそがあまりに暗い大量の情報を受け入れ
どこからか空気が漏れてしまったのかしら?

これは空想 空想ですか?

人を傷つけられる何かを持って小さい命にぶつける
何度も 何度も
大丈夫 僕は大丈夫 問題などない
どうせ この子の 死の瞬間は一瞬で 跡かたなど何も残らない

これは空想 空想ですよね?

小さな口に何もいれず 僕は笑ってたらふく飯を食う
毎日 毎日
大丈夫 僕は大丈夫 問題などない
僕が嫌われても 彼は泣いても 彼らは一応大人になるまで生きるから

これは空想 空想ですよね?

二次元 これは 現実 僕は 犯した 何を?
殺した? 何を 傷つけた? 誰を?
何で? コントローラー? そうなの? 本当にそれなの?
空想? 空想ですよね? そうですよね?

ボクはいいコ とってもいいコ この世界の人は 傷つけたらいけないの
ボクはとってもいいコだから 僕はそのやくそくをまもっているよ

ゲームは? この世界じゃない? うん だから傷つける
楽し 
い 楽 しい 楽
しいい 楽 しい 楽しい 
あいすること? 撫でること? 違うよ それはじだいおくれだ

なぐれよ けれよ すぴんしろよ
泣いてるんだぜ?
現実ではぼくはいいコだから 誰ひとりのかんじょうも動かせない僕が
なかせてるんだ おかせてるんだ 
気持ちが良いな たのしいな ぼくよりよわい なにもできない
小さな子が泣いている!
泣いてる! 泣いてる! 泣いてる! 僕が泣かせた!
ぼくはつよい!ぼくはつよい! ぼくはつよい!  ぼくはつよい!
ぼくはかみさま!
ぼくはなんでもできる!
この小さないのちからでてきた
あかいえきたいも
どうせすぐにきえちゃうんだ

アハハ たのしいな


・・・


機械としての僕

小動物を集める僕
無限キャプチャーをする僕
額がすり減るくらいチャオを撫でる僕

これがすごくつまらない


・・・


人間としての僕

チャオに攻撃をする僕
チャオのえさを根こそぎ池に投げ捨てる僕
泣いているチャオを見て笑う僕

嗚呼 これが す ご く 楽しい


*   *   *


これは空想? どうでしょうね?
これは現実? そうは思いたくないものですね?

でも 僕の頭はそんなこと考えない
何が空想で 何が現実かわからない世界で僕は生きてみる
楽しい夢がかなえられる空想
現実という世界に生きているという充足

それで満足
何が空想で 何が現実かなんて
そもそも考える必要なんてないじゃない

嗚呼 この世界は楽しい
みんなはこの世界が縛られた世界だって言うけど
そんなことないよ この世界は楽しい


楽しい


楽しい


楽しい


楽しい


死んじゃえ

このページについて
作者
それがし(某,緑茶オ,りょーちゃ)
掲載日
2011年4月4日
ページ番号
10 / 40
この作品について
タイトル
チャオの詩
初回掲載
2011年3月31日
最終掲載
2020年9月16日
連載期間
約9年5ヵ月20日