ページ2

そんなふたりのそばに、ミズチャオがやってきました。

水につかるだけじゃ面白くないよ。
おれが泳ぎ方を教えてあげるよ。

そう言っているようです。

こうして、ミズチャオとヒーローチャオの水泳教室がはじまりました。

ヒーローチャオが、やさしくこどものチャオの手をささえて、ミズチャオが泳ぎ方を教えます。

まず、息継ぎを練習しました。
さいしょは、なかなかうまくできませんでしたけど、ミズチャオがしっかり教えてくれましたし、ヒーローチャオもやさしく見守ってくれたので、なんとかできるようになりました。

次は、バタ足で泳ぐ練習です。
やっぱり、さいしょはうまく進みません。
でも、ちょっとずつうまく泳げるようになっていっています。

そんな様子を見て、ヒーローチャオは、そっとこどもの手を離しました。

こどものチャオは、ちょっとびっくりしましたけど、ヒーローチャオの思いに気づいて自分の力だけで泳ごうとがんばりました。

ばたばたばた・・・。
ばたばたばた・・・。
ばたばたばた・・・。

なかなかうまく泳いでいます。
さっきまで、水に入るのがこわいと思っていたチャオには、とても思えません。

ばたばたばた・・・。
ばた・・・。

ここまで、うまく泳いでいましたけど、息継ぎに失敗してしまいました。

あわててヒーローチャオとミズチャオがこどものチャオをささえます。

ヒーローチャオが心配そうに、こどものチャオの様子を見ます。
でも、こどものチャオは、平気な顔をしています。

ちょっと失敗してしまいましたけど、次はうまくできそうな感じがしたのです。
こんどは、自分からヒーローチャオの手を離しました。

ゆっくりですが、ちゃんと前に進んでいきます。
そして、こんどは、うまく息継ぎもできました。
ちょっとずつ速く泳げるようにもなってきました。

こどものチャオは、泳ぐことがこんなに楽しいことだったんだと、はじめて知りました。
水がこわかったなんてウソみたいです。
このまま海まで泳いでいってしまいたいぐらいでした。

うれしそうに泳ぐこどものチャオのとなりを、ヒーローチャオがゆっくり泳いでいます。
反対側のとなりから、ミズチャオが勢いよく追い越していきました。

おまえもいつかこのくらい速く泳げるようになれるよ。

そんなミズチャオの声が聞こえてきました。

いつの日か、泳ぎの競争でミズチャオより先にゴールする、このこどものチャオの姿が見れるかもしれませんね。

暑い夏の日でも、チャオの森では、元気にチャオたちが遊びまわっていました。
まだまだ暑い日は続きます。



おわり

このページについて
掲載号
週刊チャオ第22号
ページ番号
2 / 2
この作品について
タイトル
チャオの森の水泳教室
作者
懐仲時計
初回掲載
週刊チャオ第22号