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人里離れた山の中に、チャオたちの暮らす森があります。
ちらちらと舞い降りてきた雪で、森の木々がうっすらと白くなっています。
でも、森の木々が守ってくれるおかげで、チャオの森の中に雪がつもることはありませんでした。

やさしい木々に守られているチャオの森でしたけれど、森のはずれの広場には、やっぱり雪がつもってしまっていました。
でも、そこでは、たくさんのチャオたちが楽しそうに雪遊びをしています。

ころころころ。
ころころころ。
雪の玉をゆっくりと転がして、雪だるまをつくっているチャオたちがいます。

小さな雪だるまをいくつもならべているコがいます。
ちょっぴり大きな雪だるまをつくって満足そうにしているコがいます。
頭のうえがとんがった雪だるまをつくったコは、じぶんとそっくりな雪だるまとならんでポーズをきめたりしています。

ごろんごろんごろん。
ごろんごろんごろん。
すごい音がすると思ったら、ダークチャオがとっても大きな雪の玉を転がしてきました。

じぶんよりも大きな雪の玉をひとつつくると、すぐにもうひとつの雪の玉をつくりはじめました。

ごろんごろんごろん。
ごろんごろんごろ・・・。

ダークチャオは、さっきよりちょっとだけ小さな雪の玉をつくると、大きな雪の玉のうえにのせようと持ちあげました。
でも、雪の玉が大きすぎて、うまくのせることができません。

ダークチャオは、なんとか雪だるまを完成させようとがんばりました。
でも、手をすべらせてしまって、雪の玉を頭からかぶってしまいました。
ダークチャオは、なんとか雪の玉から頭だけだしましたけれど、じぶんが雪だるまみたいになってしまいましたね。

チャオの親子は、「かまくら」をつくりました。
雪でつくった小さな家ですけど、雪でできているとは思えないほど、中はあたたかくなっていました。

かまくらの中で食べる木の実は、いつもよりもおいしいとこどものチャオは思いました。
おかあさんチャオは、雪のウサギをつくって、かまくらのまえにならべています。
おとうさんチャオは、じぶんでつくったかまくらのデキにとっても満足しています。

雪の一日を、チャオの親子は、かまくらの中でのんびりとすごしていました。

広場では、雪合戦がはじまりました。
チャオたちが二組に分かれて、楽しそうに雪を投げあっています。

相手もよく見ないで、いくつもの雪をつづけて投げているコがいたり、遠くからおっかなびっくり投げているコもいます。

ソニックチャオは、すばやく相手の目のまえまで近づいてから雪の玉を投げつけています。
ミズチャオは、雪を投げることより、雪の玉を準備することに夢中になっています。
ナイツチャオは、じぶんで投げるよりも飛んでくる雪の玉をよけることが楽しいみたいですね。

チャオたちは、雪をぶつけたりぶつけられたり、大さわぎしながら雪合戦を楽しんでいました。
そのとき、よこからたくさんの雪の玉が飛んできたのです。

みんなは、おどろいて雪が飛んできた方向を見ました。
そこには、金棒を持ったオニチャオとオニのお面をつけたダークチャオたちがいました。

そういえば、きょうは節分の日です。
オニチャオとダークチャオたちは、節分のオニの役をするために、お面をつくって金棒を用意していたのです。
お面をつくれなかったコは、タマゴのカラやカボチャをかぶっていたり、金棒を準備できなかったコはガラガラやホウキを持っていたりして、ちょっと変なオニたちですけれど、なかなかこわい雰囲気をしています。

おどろいたりこわがったりしながらオニたちを見ているみんなのようすに満足したダークチャオのオニたちは、いたずらをするためにみんなのところへ散っていきました。
ダークチャオのオニたちをとめようとしたソニックチャオの目のまえには、オニチャオが立ちふさがっています。
ソニックチャオも、これではオニたちのいたずらをとめることができません。

ついに、オニたちがすきなようにいたずらをはじめてしまいました。



つづく

このページについて
掲載号
週刊チャオ第48号
ページ番号
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この作品について
タイトル
チャオの森の豆まき
作者
懐仲時計
初回掲載
週刊チャオ第48号