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でも、ヒーローチャオのこたえは決まっていました。
あのひと以外考えられないのです。

かなしそうに首をふるヒーローチャオを見て、ダークチャオはさみしそうに立ち去りました。
でも、さみしそうに見えたのは、ちょっとだけで、すぐにいつもの元気を取りもどしました。

なんだかわけのわからない歌を歌いながら遠くへ歩いて行くダークチャオを見ながら、ヒーローチャオは待ち続けました。

ヒーローチャオのまわりのお花が、だんだんと元気をなくしてきたように見えます。
もう「はんしょくき」が、おわってしまいそうです。

ヒーローチャオのささやかな夢は、かなわないのでしょうか?

そんなとき、遠くにニュートラルチャオの姿があらわれました。
やっとヒーローチャオを見つけることができて、ほっとした表情をしています。

ニュートラルチャオは、ヒーローチャオが「はんしょくき」になっていることに気がつきました。
そして、その「はんしょくき」が、もうおわってしまいそうなことにも気がついて、あわてて走りだしました。

もう間に合わないかもしれないとおもいました。
でも、走らずにはいられなかったのです。

ニュートラルチャオが走りよってくるのを見つけて、ヒーローチャオはとてもうれしくなりました。
「はんしょくき」が、おわってしまってもかまいません。
また、あのひとといっしょにいられるだけでいいとおもったからです。

お花が、かんぜんに元気をなくしてしまうまえに、ニュートラルチャオはヒーローチャオをだきしめることができました。

いっしょにいられることは、こんなにもうれしいことだったんです。
ふたりは、あらためてそうおもいました。

だいすきなひとがそばにいるという幸せを感じて、だいすきなひとの幸せを願います。

出会ったころのこと、ずっといっしょにいたころのこと、幸せな日々がおもいだされます。
今、ふたりでいる幸せを感じています。

そして、幸せな未来を感じたとき、ふたりのあいだに小さなタマゴが産まれました。


チャオの森の、ある木の下に、チャオの絵が描かれています。
タマゴをだっこしたニュートラルチャオと、そのとなりに寄り添うヒーローチャオの絵です。

そして、そのそばに、絵に描かれたチャオとそっくりなふたりのチャオがいました。
ニュートラルチャオとヒーローチャオ、仲の良さそうな感じも絵と同じです。

でも、ひとつだけ、絵とちがうところがありました。
それは、ニュートラルチャオがタマゴをだっこしていないかわりに、ふたりのあいだに、かわいらしい小さな赤ちゃんのチャオがいることでした。


チャオの森に、幸せな風が吹いています。



おわり




~あとがき~

みなさま、おひさしぶりです。
って、覚えてくれている人はいるのでしょうか?(爆)

ひさしぶりに書いてみたのはいいのですが、ちょっと長くなってしまいました。
いや、ほんと、最後まで読んでくれた方、ご苦労さま、そして、ありがとうございます。

しかし、こんなお話書くつもりなかったのになぁ(爆)
これって、ラブストーリーやん(笑)

それでは、改めて、読んでくれたみなさま、ありがとうございます。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第31号
ページ番号
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この作品について
タイトル
チャオの森の恋人
作者
懐仲時計
初回掲載
週刊チャオ第31号