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そのころ、目をさましたお母さんチャオが、こどものチャオがいなくなっていることに気づいてあわてていました。
まだハイハイしかできないこどものチャオが、どこにいってしまったのか、とっても心配であちこち探しまわっていました。

でも、どこを探してもこどものチャオは見つかりませんでした。
だんだんとお日さまもしずんできました。
もうすぐ日が暮れてしまいます。

お母さんチャオは、どうしたらいいのか分からなくなってしまって、しずんでいくお日さまをながめていました。

しばらくすると、そのお日さまのしたを小さなチャオが歩いてくることに気がつきました。
そのチャオは、まっすぐにお母さんチャオのほうにむかってきます。

お母さんチャオは、はじめはそのチャオがだれだか分かりませんでした。

こどものチャオは、まだハイハイしかできないはずでした。
だから、歩いてくるそのチャオが、じぶんのこどものチャオだとは思わなかったのです。

でも、もう見まちがいません。
そのコは、まちがいなくお母さんチャオのたいせつなこどもでした。


こどものチャオは、真っ赤なお花を手に持ってうれしそうにお母さんチャオのところにやってきました。

お母さん、いつもありがとう

そういうと、こどものチャオは、手に持った真っ赤なお花をお母さんチャオにプレゼントしました。

お母さんチャオは、とってもビックリして、そして、とってもうれしく思いました。
でも、さいしょに言葉にしたのは、ちがうことでした。

ひとりでどこにいってたの?
心配したじゃない
もう、勝手にこんなことしたらダメよ

それだけ言うと、お母さんチャオは、こどものチャオをぎゅっと抱きしめました。

ありがとう
とってもうれしいわ
でも、もうこんなムチャしないでね


日の暮れたチャオの森の片すみで、親子のチャオがなかよく眠っています。
そのそばでは、一輪の真っ赤なカーネーションがきれいに咲いていました。



おわり

このページについて
掲載号
週刊チャオ第65号
ページ番号
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この作品について
タイトル
チャオの森の母の日
作者
懐仲時計
初回掲載
週刊チャオ第65号