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森の中では、きれいに紅葉した木の葉を、ながめているチャオたちがいます。

あか、きいろ、オレンジと、あざやかな色にかわった木の葉は、とてもうつくしいものです。
そんな木の葉を見上げながら、のんびりと森の中をあるくのも楽しいことです。

仲のよい親子3にんのチャオが、紅葉した木々の下をオサンポしています。

こどものチャオは、まだハイハイしかできませんが、おとうさんとおかあさんといっしょにオサンポするのがうれしくてしかたないようです。
ときどき、ふたりのほうを振り返りますが、自分のすきな方向へハイハイしていきます。

あっちへいっては、木の実をひろい、こっちへいっては、落ち葉をひろいます。
ひろったものが気に入るとしばらくその場をうごかなくなるみたいですね。

そんなときは、おとうさんチャオとおかあさんチャオはゆっくりと紅葉を見れるのですが、気をぬいているとすぐにこどものチャオがどこかへいってしまいます。
ふたりは、こどもをみまもりながらも、ときどき木を見上げて紅葉を楽しんでいました。

なんだか、あわただしい紅葉狩りになってしまいましたね。

そして、ゆっくりと日が落ちてきました。
夕焼けのあかい光に照らされた木々は、昼間とはちがった感じがします。

そんな森の木々を見上げながら、ヒーローチャオが歌をうたっています。
ちょっぴり切なくて、でも、とってもすてきな秋の歌です。
森のみんなは、しずかにヒーローチャオの歌をきいています。

いつの間にか、秋のムシたちが鳴きだしました。
ちょっとひかえめで、でも、すてきな鳴き声です。
ヒーローチャオの歌にあわせて鳴いているみたいですね。

秋のムシたちが伴奏してくれることを、ヒーローチャオはとってもうれしく思いました。
だから、うたう歌は、しぜんに楽しい歌にかわりました。

しずかに歌をきいていたチャオたちも、いっしょにうたいはじめました。
夕暮れのチャオの森に、とっても楽しい歌声がながれていきます。

こうして、チャオの森の秋の一日が暮れていきました。
秋は、とってもすてきなおくりものをチャオの森にプレゼントしてくれました。



おわり

このページについて
掲載号
週刊チャオ第38号
ページ番号
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この作品について
タイトル
チャオの森の秋
作者
懐仲時計
初回掲載
週刊チャオ第38号