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大変です。
こどものチャオが、川でおぼれています。
どうしたらいいのしょう。

ここでも真っ先にかけつけてきたのはヒーローチャオです。
でも、このヒーローチャオは泳ぎがあまり得意じゃないみたい。
川に飛びこんでみたけど、おぼれているチャオに近づくことができません。

次に、泳ぎの得意なミズチャオがやってきました。
すごいいきおいでおぼれているチャオに近づいていきます。

よかった、これで助かりそうね。

・・・ダメです。
近くまできたのはいいのですが、おぼれているチャオが必死になってあばれているので、うまく助けることができません。
このままでは、助けにきたミズチャオも疲れきってしまいますし、なによりおぼれているチャオが大変なことになってしまいます。

本当に大変なことになってしまいました。

もうどうしようもないのでしょうか?

あきらめかけていると、おぼれているチャオのまわりの水が不思議な動きをしました。
チャオをやさしく包み込むように、そっと水から持ち上げたのです。

それは、だんだんと何かのかたちになっていきます。
チャオに似た姿をして透きとおった体をしています。

これは、幻のライトカオスチャオでしょうか?
いえ、違います。

ライトカオスチャオよりも大きくて、力強くて、やさしい目をしています。
伝説のカオス0です。

チャオの守り神カオス0。
本当にいたんですね。

カオス0は、チャオを助けると、そっと岸辺におろしてあげました。

でも、チャオは、まだ泣いています。
こわくって、くるしくって、泣き続けています。

ほかのチャオ達がなぐさめていますが、どうにもおさえようがないみたいです。
カオス0も、なぐさめたりするのは苦手なので、どうしたらいいのか分からないようです。

そこへ、ひとりの少女が現れました。
オレンジの髪をした女の子。
よく見たら、ナックルズと同じ種族だということが分かります。

その少女は、泣き続けているチャオをやさしく抱っこしてあげました。
そして、頭をなでてあげて、やさしく声をかけます。

そうしているうちに、チャオの頭の「グルグル」マークが「ハート」マークにかわりました。
よかった、落ち着いたみたいです。

少女がチャオを下ろすと、チャオは何もなかったようにみんなのところに行って、いっしょに遊び始めました。
その様子を見て、少女は嬉しそうに微笑んでいます。

そして、軽く手を振ると、すっと消えてしまいました。
いつの間にか、カオス0もいなくなっています。

あの女の子は、きっとティカルなのでしょう。
カオス0の最初の理解者で、「チャオを見守る者」と言われる、優しくて本当の強さを持った女の子。
これからも、カオス0といっしょに、チャオ達を見守り続けてくれるのでしょう。

今日も、この森は、チャオ達の楽しそうな声でいっぱいになっています。


おわり

このページについて
掲載号
週刊チャオ第5号
ページ番号
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この作品について
タイトル
チャオの森
作者
懐仲時計
初回掲載
週刊チャオ第5号