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チャオは遠くの森で幸せに暮らします。
もう会うことはできません。


こんな風に、チャオと「さようなら」した人はいませんか?
チャオは人といっしょに暮らすために生まれたような生き物なのですが、ときどき、人といっしょにいることが好きじゃなかったり、人のつくった自然じゃない本当の自然の中で暮らしたいと思うチャオがいたりするのです。

そういうチャオが、かわいがってくれたご主人さまと「さようなら」した後にやってくるという森を知っていますか?
今日は、その「チャオの森」をのぞいてみましょう。


町からだいぶはなれたところにある山の中にその森はあります。

きれいでゆっくりと流れる小川のそばに、いくつもの大きな木がたっています。
たくさんの木ですけど、ちょうどいいぐあいにならんでいるので、太陽の光がちゃんと地面にとどいていて、とてもいい感じです。

ここから、もうちょっと奥の方に行くと、もっと木がふえて、昼間でも、ちょっとうす暗くなってしまいます。
でも、こういうところの方が、ダークチャオは好きみたいなんですよ。

ほら、いました。
ダークチャオです。
チャオガーデンにいた時より、ちょっぴりするどい目つきになって、カッコよくなっていますね。
あらら、もうちょっと見ていたいのに、ダークチャオが木のかげにかくれてしまいました。
ざんねん。

さて、こんどは小川の近くを見てみましょう。

あおい色をしたチャオが、元気にかけていきます。
後ろにのびた3つのツノ。
ソニックチャオです。
走ることが大好きなチャオがおとなになるとソニックチャオになるといわれています。

だから、ほら、今日もソニックチャオは走りまわっています。
本当、楽しそうですね。

あら?
むらさき色をしたチャオが空を飛んでいますよ。
ナイツチャオです。
2本の大きなツノと大きなハネが、とてもきれいです。

空を飛ぶことが好きで好きでしかたないみたいですね。
全然おりてきそうにありません。

小川では、きいろいチャオが楽しそうに泳いでいます。
ミズチャオです。
川の流れにジャマされないような形に進化しているようです。
この頭の形は「りゅうせんけい」っていうんですよ。

この形のおかげで、ほら、ほかのチャオよりもはやく泳ぐことができていますね。
あら、こんどは背泳ぎをしています。
本当、泳ぐのが上手ですね。

バッサバッサと木がゆれています。
どうしたのかしら?

なんだ、力持ちのオニチャオが、みんなのために木の実を落としていたんですね。
みんな木の実を食べにあつまってきました。

オニチャオは、あつまってきたみんなの分の木の実を落とすために、また別の木をゆらしています。

バッサバッサ。
ポトポンポン。
バッサバッサ。
ポンポトポン。

どんどん木の実が落ちてきます。

バッサバッサ。
ポンポン・・・コツーン!

あらまぁ、木の実がひとりのチャオの頭を直撃してしまいました。

大変。
泣き出しちゃいました。

オニチャオは、ごめんなさいと頭を下げています。
ヒーローチャオがかけよってきて、木の実が当たったチャオの頭をなでています。

・・・・・・。
よかった、泣きやみました。
ケガもしてないみたいです。
あら、ちょっと頭にコブができてるかしら?
いえいえ、だいじょうぶ、だいじょうぶです。

みんなで仲良く木の実を食べたあとは、お昼寝の時間です。

くぅくぅ。
すぅすぅ。

かわいらしいチャオの寝息が聞こえています。

ぐおぉぐおぉ。
があぁがあぁ。

あらら、イビキをかいてるチャオもいるみたい。
でも、みんな幸せそうに眠っています。

さて、お昼寝もおわって、またみんな思い思いに遊びはじめました。

走りまわってるコ。
飛んでるコ。
泳いでるコ。

みんな楽しそうです。

おや?
どこからかチャオの悲鳴が聞こえてきました。


(つづく)

このページについて
掲載号
週刊チャオ第5号
ページ番号
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この作品について
タイトル
チャオの森
作者
懐仲時計
初回掲載
週刊チャオ第5号