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「お母さん、どおしたの!?」

慌ててくるみがかけよってきた。

「く、くるみ。くるみよね。」

「ママ、ゴキブリがでたの?」

弟の和樹も心配そうに裕美を見ている。

「な、なんでもない。なんでもないのよ。
 ごめんね。大きな声出して。
 お母さん、疲れたみたいだから先に寝るね。」

「うん、あたし達なら大丈夫。ちゃんとパジャマに着替えて、歯を磨いてねるから。」

「じゃ、おやすみ」

「おやすみなさーい。」

裕美は寝室のドアを閉めると、ほぅっと深いため息をついた。

(どうかしてる。子供達がチャオに見えるなんて。
 もしかして、育児ノイローゼ・・・?
 もう、これもみんなパパがいないのがいけないんだわーっ。会社のばかーーーっ)

そんなことを思いながら 裕美はベットに入ると、すぐに深い眠りについたのだった。

くすくすくす。
くすくすくす。

リビングでは子供達が笑っている。

<あぶなかったね>
<うん、あぶなかった>
<まだ、きずかれちゃ いけない>
<まだだね>
<もうすぐ あのヒトも なかまになるね>
<うん、なかまだね>

きれいな水色のチャオが二人、窓をあけて夜空のむこうにいる仲間達に声をかけた。

空は、春の星座できらめいている。
今はまだ平和なこの世界の、時が静かに流れていた。


おしまい。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第6号
ページ番号
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この作品について
タイトル
チャオの近未来予想図
作者
ちいるん(ラブルージェ)
初回掲載
週刊チャオ第6号