ページ2

「お前はあの子の未来を、奪ったちゃお!
 特殊チャオ警察法、第六条! 子供の夢を奪い、その心を傷付けた罪は、特に重いちゃお!!」

…だから?

「むっかあちゃお!お前のようなヤツは、抹殺するしかないちゃお!!」

え?
ちょっと、そんな理由で抹殺されるのもなぁ。
「ちゃお?これは?」
チャオ刑事は、オレが購入したモノを目に留める。
「お前、クリア出来るちゃおか?マリオ2なんて難しいちゃお。」
え?マリオ2?

オレは自分が購入したソフトを見返す。
なんと、スーパーマリオだと思ってたのだが、なんとマリオ2だった。
「うわ~、だぶっちったよ。」
そう、マリオ2ならもう持っている。オレは、無駄な買い物をしてしまったのだ。
「だぶったちゃおか?だぶったってお前、これを二個も持ってるちゃおか?!」
なんか怒り出してきたチャオ刑事に驚きながらも、オレはうなずいた。
「お前、ひどいヤツちゃお!世の中には、欲しくても買えないヤツもいるちゃお!!お金を貯めてようやく買える思っても、お前みたいなヤツがいたら、買えないちゃお!!」
チャオ刑事の瞳には、なぜか涙がたまってる。
「あ、よかったら、あげましょうか?」
「ちゃお?いいちゃおか?」
オレはうなずいた。二本持ってても意味無いし。
「でもヅーラン、ゲームボーイアドバンス、持ってないちゃお。マリオ2だけもらってもちゃおなあ~。」
チャオ刑事はクチをとがらせる。
オレは、ファミコンカラーのゲームボーイアドバンスもあげることにした。
別に二台持っててもあれだし。つまらん理由で抹殺されたくもないし。
チャオ刑事は、目を輝かせる。
「わ~い、ありがとうちゃお。早速ガーデンのお友達に自慢してやるちゃお!」
チャオ刑事はオレの車から降りると、止めてあったポケバイに飛び乗り、けったましい爆音をおったてて、風のごとく去っていった。

さっきの中学生も、親御さんと一緒に店から出てきて、店主さんに何度も頭を下げている。


オレ、何しに来たんだろか?
チャオ刑事とは、新手の恐喝なのだろうか?


おしまい。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第142号
ページ番号
2 / 2
この作品について
タイトル
チャオ刑事ヅーラン
作者
あさぼらけ
初回掲載
週刊チャオ第141号
最終掲載
週刊チャオ第142号
連載期間
約8日