ちゃおごるふぁーたんじょう!
水不足が心配になってしまう、空梅雨な今日この頃。
まだまだいっぱいお水を蓄えたお池で、チャオレースが開催されました。
お池の横には、チャオの子供が大好物だった蟹達が応援しています。
(チャニックアドベンチャー2ヒーローサイドその2(多分)参照)
スターターのオモチャオの合図とともに、八人のチャオ達は一斉に空へと羽ばたきます。
しかし、自由に羽ばたける羽を持たないチャオは、地球の引力に逆らうことは出来ず、お池の水面にバチャンとお腹を打ち付けます。
そのあまりの痛さに、溺れだすチャオもいます。
しかし、ほとんどのチャオは、元気良く泳ぎだします。
スタートから52秒後、レースは終わります。
「わ~い、スコップゲットちゃお~。」
今回の優勝者、チャオタンはその喜びを抑えきれず、にっこにこと万歳を繰り返します。
その傍らでは、係員のオモチャオ達があわてふためいてます。
「どしたちゃお?」
そんなオモチャオ達に声をかけるチャオタン。
優勝したら、即渡されるはずの賞品。それがどうしたことか、今回はなぜか、まだもらえません。
「早くスコップよこすちゃお。ボクも種植えたいちゃお。」
その言葉にオモチャオ達は、顔を見合わせます。
「ソ、ソレガ、…。」
「え~、なんちゃおってぇ?」
チャオタンは驚きます。
なんと、賞品のスコップが品切れなのです。
「そ、そんな、ボク、一生懸命がんばったちゃおにぃ。ぐす。」
チャオタンは涙ぐみます。
そんなチャオタンを見てあわてたオモチャオは、代わりにこれをと、ゴルフの6番アイアンを渡します。
「これで、どするちゃお?」
こんなもんもらって、頭の上にハテナマークを浮かべるチャオタン。
「ソレハ自分デ考エルチャオ。バイバ~イ。」
ガーデンに戻ったチャオタン。
「はあ。」
がっくしと肩を落とします。スコップの代わりに変なのをおしつけられて、チャオタンは途方にくれます。
そんなチャオタンに、いきなりソニックが『モリモリノタネ』を渡します。
チャオタンは、どしたもんかと考えこみ、ちょこちょこと歩き回ります。
これで、どしろ言うちゃお?
チャオタンは、自分が出来る事をアレコレ考え込みます。
ああ!
チャオタンは、一つの結論に達しました。
タネを地面に置くと、さっきのレースの賞品、6番アイアンをとりだします。
半円を描くように、アイアンを下から上へと振り上げます。
そして力任せに振り下ろします。
アイアンは地面をえぐり、地面の土ごとタネを、あさっての方向に飛ばします。
「ちっ。」
チャオタンは舌打ちを一つすると、何事も無かったかのようにちょこちょこと歩き出します。
驚いたのは、ソニックです。
ソニックは早速チャオbに書き込みます。
うそだぁ。
デマでしょ。
画像を見せろや。
チャオbでは、誰も信じません。そこでソニックは、チャオタンを預かり所に預けます。
GC全盛なこの時代、まだまだしぶとく生き残っていたDCユーザー達が早速検証してみます。
しかし、チャオタンがアイアンを出すことはありません。
だって、つまらないんだもん。
「あはははは。それの使い方が分からないようちゃおね、チャオタン。」
そんなある日、1人のチャオがチャオタンの前に現れました。
そのチャオはタネを地面に置くと、両足を肩幅に開きます。タネは、体の中心線をキープします。
6番アイアンを取り出すと、左手でぎゅっと握り、タネのすぐ後ろに垂直におろします。
軽く両膝をまげ、両肩の力を抜き、アイアンを握る左手に右手を軽くそえます。
左足のカカトで、軽く気持ち分、地面を蹴ります。
地面からの反動が、チャオの体に伝わります。
左足から腰を経て左肩に伝わるその力は、腰と左肩を右へと回転させます。チャオの体にギシギシと、ねじりのパワーが貯められていきます。
頭上左側まで持ち上げられた6番アイアンは、ねじりパワーの開放とともに、今振り上げられた軌道をそのまま振り下ろされます。
アイアンに打ち出されたタネはそのまま一直線に空へとすいこまれていきます。
「す、すごいちゃお!」
チャオタンは感動します。
「じゃあ、ボクがコーチしたげるちゃお。」
「ちゃお!」
こうしてチャオタンの特訓の日々が始まった。
続く。
(えっ、続くの?)