第8話「ブルーの過去」
~あらすじ~
ブルーは、黒い二本の角を持つチャオ・ドルクスと対決し、
二つ目の変身「アイアン・ブルー」で見事ドルクスを撃破した。
一方、ブルーを追う謎の赤いチャオ・チャルムも、
順調にトーナメントを勝ち進んでいる。
果たして、ブルーの戦いの行方は…!?
センベイを引きずりながら待合室へ戻ったブルーは、
右腕を鞭に変形させ、いつも通りセンベイをしごこうとした。
が、その時だった。
「ブルー…ここにいたのか」
一匹の赤いチャオがブルーに近づいてきた。
「お前…何者だ?」
その赤いチャオはこう答えた。
「俺はチャルム。お前を追う者。そして……お前の全てを知る者」
チャルムのその言葉に、ブルーは首をかしげる。
「何でお前が俺の全てを知ってるなんて事が言えるんだ?俺のことは俺が一番よく知ってるはずだぜ」
「自分ではそう思っているようだが……どうかな」
ブルーは両腕を剣に変化させ、
左腕をチャルムに向けて突き付けた。
「五月蝿い奴だな……殺すぞ」
ブルーの脅迫をもろともせず、チャルムは話を続けた。
「その力は体を自在に変化させられる。しかし、殺傷能力のある物にしか変化させることができない。つまり、その力は戦うためにあるということだ。それが何を意味しているか……わかるな?」
左腕をチャルムに向けたまま、ブルーはこう答えた。
「サッパリだな」
「お前は戦うために作られた……兵器なのだよ」
チャルムのその言葉にブルーはショックを受ける。
「嘘だ…嘘だ、そんな事……嘘だ!」
「嘘ではない、本当のことさ。お前は作られたんだ。戦いを望むチャオ達にな。事故でその力が芽生えたというのも、全て嘘なのさ」
聞きたくなかった事実を聞かされ、ブルーは動揺する。
その時、ブルーの体に異変が起きた。
青い体が黒く染まってゆき、背中に巨大な翼が生え、
腕や足には鋭い刃のようなものが生えた。
「嘘だ…嘘だ…兵器だなんて…嘘だ…俺は兵器じゃない…俺ハヘいキナンかジャなイ……!」
そう言うと、ブルーは待合室の天井を突き破り、
チャオコロシアムの上空へと飛んでいった。
その頃、チャオコロシアムでは試合の真っ最中だった。
「おや?上空に謎の飛行物体を発見しました!あれは一体何なんだッ!?」
上空に浮かんだブルーは観客席のほうを向き、
両腕を巨大な異形の武装に変化させる。
その姿は、まさしく怪物であった。
「ミンナ死ンデシマエ……ミンナミンナミンナミンナ滅ンデシマエバイイノダ!ヒャハハハハハァ!!」
ブルーは観客席に向かい、両腕の武装から巨大な光線を発射した。
「ああーっと!上空の飛行物体が変形して観客席へ攻撃したーッ!」
逃げ惑う観客達。
しかし、そう簡単に逃げられはしなかった。
ブルーの両腕から放たれた光線に当たった観客の体が風船のように膨らみ始め、
やがて観客の体は破裂し、辺り一面に肉隗と体液が散らばった。
「ヒャハハハハハハハ!逃ガサン!逃ガサンゾ!貴様ラ全員ブチ殺シテヤル!ヒャハハハ!ヒャハハハハハハハハハハハァ!」
ブルーは容赦無く観客席に向かって攻撃し続け、
観客達はどんどん体が破裂し死んでゆく。
司会は呆気に取られた表情でその光景を見つめていた。
すると、ブルーはリングの上に降り立ち、
試合を行っていた一匹のトビチャオを左腕で刺し殺した。
トビチャオの体からは紫色の体液がしたたる。
「ウヒャヒャヒャヒャ…ドウダ、俺様ノ力ヲ思イシッタカ!愚カナチャオドモメ!」
「おっと、謎の飛行物体が乱入した!この試合、一体どうなるのでしょうか!?」