ちゃお。

僕の家にはチャオの「ちゃお」がすんでいる。
名前はめんどくさいからこう決めた。でもちゃおが一番良いと思う。ひらがなって何処無くあどけなさがあるような感じ。

「ちゃお。」
そんな声で話しかけてくるなよと言われても、ちゃおなんだからしょうがない。
ちゃおに日本語なんて話せるわけが無いじゃない。
そんなことをちゃおにさせることは中学生の俺に三角関数をしろというのと同じような物だ。

「ちゃお。」
でも。
これだけしか言えないのならば、感情はぽよでしか分からない。
でも、ちゃおはぽよで表現が出来ない。
要は赤ちゃんなのだ。だから、僕になんか何も言わない。

「ちゃお。」
僕はちゃおにとってただの道具なのだろうか?
でも、そんな感情はもう消えてしまったんだ。
ある日。僕は夢を見たかのようにちゃおが言ったんだ。

「だいすき」
そのたった4文字。
でも僕は中学生にもなって、涙をわんわん流しながら、
ちゃおに抱きついていたんだ。

「ちゃお。」
あの時だけかもしれないね。
日本語を話せるようになったのは。
僕はこう思いたいな。僕にそれを伝えたい一心で言えたと。

「ちゃお。」
ちゃお。これからもよろしくな。 fin

この作品について
タイトル
ちゃお。
作者
それがし(某,緑茶オ,りょーちゃ)
初回掲載
週刊チャオ第178号