チャオレンジャーロボX つづき

チャクロン型のロボも、こちらの存在に気がついたようです。
川を跳び越すと、こちらに向かってきました。
チャクロンがまわし蹴りを仕掛けてきます。
かわしました。
チャオレンジャーロボXはそのドリル状の腕を突き出し、チャクロンにダメージを与えようとします。
しかしチャクロンは、これを逆手に取りました。
ドリルの根本をつかみ、チャオレンジャーロボXの動きを固定し、目からビームを繰り出します。
赤い光線が小動物のボディを貫きます。激しい火花。
このままでは負けてしまう。
誰もがそう思いました。
しかしここでレンジャーは、うまく機転をきかせました。
フリーになっていた足をめがけて、すくいをかけたのです。
うまくいきました。
チャクロンは転倒し、レーザーの動きは止まりました。
今です!チャオレンジャーの秘技の発動です!!
チャオレンジャーロボXはチャオレンジャーの一匹と同化することによって、そのチャオの持つ小動物エネルギーを使い、究極の技を発動できるのです!
「Xチェーンジ!」
ブルー隊員が叫びました。
とたんにチャオレンジャーロボXは変形を始めます。
そして出来上がったのは、青いカケチャオのすがたでした。
「秘技発動チャオー!」
ポヨが落ちてきました。
むろん小動物の一部でできた、偽物のポヨです。
「Xシュート!」
その名のとおり、ロボは落ちてきたポヨを蹴り上げると、チャクロンに向かって鋭いシュートを放ちました。
凄まじい回転のかかったポヨが、チャクロンに向かって一直線に突き進みます。
ポヨはチャクロンの目の前まで迫っていました。
しかし・・・・・
チャクロンはポヨに向かって目からビームを発動させました。
爆薬の詰まったポヨは一瞬にして、木っ端微塵に砕け散りました。
チャオレンジャーの、まさかの失敗でした。
が、あいにくしぶといのがとりえのチャオレンジャー。
敗因はこれです。ずっと前から気がついていた
「チームワーク!」
ロボを操縦していたブルー隊員は、すばやく元のように、アライグマに戻りました。
チャオレンジャーロボは、小さな小動物五匹に戻ってしまいます。
でも、いったんひとつになったレンジャーたちの心は分かれませんでした。
見事なタイミングでチャクロンにダメージを与えます。
もはやチャクロンに残された道はひとつ・・・・・
大音響で爆音が大地を揺るがした後に残ったのは、真っ黒なすすと金属の破片だけでした。

こちらはチャオレースコース。
いつものように、チャオレンジャーたちは控え室のなかでゆったりと会話を楽しんでいます。
「これでチャオガーデンの平和は、ボクたちがいないと守れないことが証明されたちゃおね」
レッド隊長がうんうんとうなずきます。
「これがレースにも反映されるといいんですけどね」
イエロー隊員が笑います。
そのとき隅で、こじんまりとした声が聞こえました。
「あのー、なんか私の出番が少ないような気がするんですが・・・・・」
ピンク隊員でした。
「それはしかたがないちゃおよ。オ パラパラチャーオではロッカク、世直しチャオでは青マスク、チャピルの書く小説にはいつも無駄があるちゃお」
レッド隊長がうんうんと・・・・・うなずかないでくれー
「ま、これも運命チャオね」
レッド隊長またもや意味のないなだめ。
こうして、チャオガーデンの平和は守られましたとさん。

おしまい

このページについて
掲載号
週刊チャオ第159号
ページ番号
2 / 2
この作品について
タイトル
チャオレンジャーロボX
作者
チャピル
初回掲載
週刊チャオ第159号