チャニックアドベンチャー2

首都上空に、一機のヘリコプターが飛んでいた。

「ふふふふ、やったぜよ!めずらしいチャオを捕まえたぜよ!」
ヘリの乗組員の一人が、興奮をおさえきれずに叫ぶ。


彼らの見つけたのは、なんと青いカケチャ。
通常、緑色をしているのに、このカケチャは、青かった。
チャオブリーダー仲魔に、自慢できること請け合い。


「どれ、おとなしくしてるかなあ?かわいいチャ~オちゃん?ん?」

青いカケチャは、にっこにこしていた。
「ねえねえ、もう無いちゃおか?チャニック、チャオの実、大好物ちゃお~。」

チャオの実。
チャニックは、これを求めてお散歩にでたのであった。

「ごめん、それで最後だよ。」
乗組員の言葉に、チャニックは顔をくもらせる。
「え~、じゃあチャニック、ここにはもう用はないちゃお。ばいば~い。」
チャニックは、ヘリから板切れをひっぺがし、そのままヘリから飛び降りた。



走りタイプのチャオとはいえ、チャニックにも立派な羽があった。
自由に空を飛ぶことは出来ないが、落下の速度をおとすのには、十分だった。

チャニックの落下地点は、急な坂道だった。
板切れに乗ったまま、その坂道を滑りぬける。

しかし、チャニックを逃がすまいと、数々の罠がしかけられていた。
まずは、ジャンプ台。
調子に乗ったチャニックが、着地失敗するのを見越しての設置だったが、チャニックは見事なトリックプレイを決める。
次は、ダッシュパネル。
しかしこれは、乗った瞬間に、板切れだけが飛んでいった。
チャニックはこけた。

「痛いちゃお~。もう、歩けないちゃお~」

そんなチャニックの前に、なんの脈絡もなくチャオの神様が現れる。
「チャニックや~、お前はいい子だから、悪いヤツ等から、逃がしてあげよう。この、ソニックの様なもつれそうな足をあげよう。」
「いらないちゃお!」
チャニックは、即座に拒絶する。
「ソニックのようなもつれそうな足は、止まらなくなるから、嫌ちゃお!」
ちょっと戸惑うチャオの神様。
しかし、すぐに妙案を思いつく。

「そうだ、これで二分も走れば、ヤツ等の手の届かない所までいけるぞよ。だから、二分で消えるようにしてあげよう。」

「それなら、心配ないちゃおね。 あれ?でも、、」
チャニックに、ある種の疑問がよぎる。
「チャニック、走りタイプちゃおよ。ステイタスも、マックスの999ちゃお。ソニックとあまり変わらない速さちゃおよ。」

「ほ~ほっほほ。」
チャオの神様は、笑い飛ばす。
「お前の速さは、所詮音速。でも、このソニックの様なもつれそうな足ならば、光速。その速さは、一秒間に、地球を七週半!!」
「はう!すごいちゃお!チャオの神様、ほれぼれするほど頭いいちゃお!」

チャニックは、チャオの神様に、ソニックの様なもつれそうな足をもらった。
「ありがとう、チャオの神様。さっそく走ってみるちゃお。イッテラ~イ!!」

チャニックを見送るチャオの神様。
「一秒間に地球を七週半の速さで、二分くらいか。あいかわらず、ネジのゆるいチャオよの~。」

そんな言われようなぞ露知らず。チャニックは走り続ける。
「と、止まらないちゃお~~!」

途中、追っ手が放ったガンハンターと出くわすも、音速の衝撃波で、なんなくぶち壊す。

「と、止めてちゃお~~~!」どてっ。
二分経った。
ソニックの様なもつれそうな足が消えると同時に、チャニックはこける。

なんとか起き上がって、辺りを見渡す。
どうやら追っ手はまいたようだった。
チャニックは、チャオの神様に感謝した。
「ありがとう、チャオの神様。チャニック、これからもいい子にしてるちゃお。もう、ガーデンに帰るちゃお。ん?」

チャニックの目の前に、チャニックとよく似たチャオがいる。
体の色が黒い他は、チャニックとはなんら変わらない。
そのチャオは片手に、丸くて光り輝くものを持っていた。
それは、チャニックにも見覚えのあるものだった。しかし、それが何かは、思い出せなかった。
「お前は誰ちゃお?どっぺるんげんがーちゃおか?」

「ふっふっふ。僕の名は、チャドー。究極にして、完璧なチャオ。貴様ごときと一緒にしてもらっては、困るちゃお。」
チャドーと名乗るチャオに、ひとまず安心のチャニック。
「良かったちゃお~。チャニック、まだ死にたくないちゃおよ。ん?ああ~!!思い出したちゃお!」

チャドーの持つ、丸くて光り輝くもの。
それは、チャオのアレだった。

以前、お友達のライトカオス君がお散歩から戻って来た時、どこかに無くしたチャオのアレ。
以来ライトカオス君は、野球のボールでごまかしてたが、彼のアレは特殊だったので、バレバレだった。

「チャドー、お前泥棒ちゃおか?ライトカオス君のチャオのアレを返すちゃお!」
チャニックは、チャドーに向かって走り出す。
その刹那、チャドーはライトカオス君のチャオのアレを強く握り、叫ぶ。

「カオスコントロール!」

交差する二人。

その直後、チャドーはチャニックのはるか後方にいた。

「チャニック

このページについて
掲載号
週刊チャオ第94号
ページ番号
1 / 59
この作品について
タイトル
チャニックアドベンチャー2
作者
あさぼらけ
初回掲載
週刊チャオ第94号
最終掲載
週刊チャオ第118号
連載期間
約5ヵ月18日