激闘編 放たれた刃

スペースコロニーチャークの研究所。
ひょんなことから、麻里愛(マリア)の事を思い出してしまったチャドー。
この窓から地球を眺めながら、二人でかわした会話。
自分は、何の為に産まれ、そして、何をするべきなのか。
その答えは、見つかるのだろうか。いつかあの星に行けば。
「マリア。」
チャドーは思わずつぶやいた。

「な~にたそがれてんちゃお。」
はっと振り向くチャドー。ルーチャが立っていた。チャドーはまた窓の外を眺める。

「正直、以外だったちゃお。まさかアンタが助けに来てくれるちゃおとはねぇ。」
それは、ルーチャなりのお礼だった。

「ふん、別にお前を助けたかった訳じゃないちゃお。カオス系チャオのアレの為ちゃお。」

「あ~らら、素直じゃないちゃおね~。」
「ウオッホン。」
そこへ、チャッグマンが入ってきた。
「準備が出来たちゃお。」
「大丈夫ちゃお?」
ルーチャは振り向いた。
「カオス系チャオのアレはまだ6個しかないんちゃお?」

チャドーは、研究所の出口に歩きながら答える。
「デモンストレーションをする分には問題ないちゃお。さあ、フィナーレの時間ちゃお。」



そして、某月某日、世界時間18時。
地上の全てのテレビが電波ジャックされた。
チャッグマンの映像が流される。

「ちゃ~ちゃっちゃっちゃ~。世界中の人間どもよ、よく聞くちゃお。
 ワシの名前は、ドクターチャッグマン。人類史上初めて、全世界の支配者となるチャオちゃお!国民は全員、チャオをかわいがるちゃお。いや、このドクターチャッグマンのみをかわいがるちゃお!
 偉大なる帝国の開幕セレモニー、心して見るちゃお!」
チャッグマンが上空を指差す。

大きめな丸い小惑星。突然、中から光出す。下半分がくだけちり、残りの上半分の岩盤も、薄皮を剥くように飛び散る。
スペースコロニーチャーク。
50年ぶりに、その真の姿を現した。
上下の切断面の円の中心から、ギャリック砲の砲身が伸びてくる。
その砲身にエネルギーが溜められる。

そして、ギャリック砲が発射される。

放たれたエネルギーの束は、地球をかすめ、月に命中。
月は真っ二つに割れてしまった。
「ぬわ~、ちゃっちゃっちゃ~。」
電波ジャックされたテレビから、チャッグマンの高笑いが響き渡る。
そしてテレビ画面には、24時間をきったカウントダウンが表示されていた。



「そ、そんなあ、これじゃお月見出来ないちゃお~。」
チャミーが思わず叫ぶ。
「チャッグマンの奴!調子にのりやがってちゃお。」
チャニックははきすてる。
「でも、あんなすごいエネルギー、どうやって、…。」
「カオス系チャオのアレちゃお。」
チャイルスの疑問に、チャニックは答えた。
「奴等がカオス系チャオのアレを探していたのは、この為だったちゃおか。」

チャイルスは、ごそごそとパソコンをいじくる。
「なにしてるちゃお?」
「チャッグマンがカオス系チャオのアレを集めてるんなら、こっちも残りのカオス系チャオのアレを手に入れるちゃお。
カオス系チャオのアレの反応は、…、チャオガーデンちゃお。ダークカオス君のチャオのアレちゃお!」

その時、サイレンが鳴り響き、チャニック達は取り囲まれる。
「そこの三人!両手を高く挙げて地面に膝を突きなさい!!」
「チャイルス!ここはバラバラに逃げるちゃお。落ち合う場所は、チャオガーデンちゃお。」
「うん!」
チャニックとチャイルスは駆け出した。
一人残されるチャミー。
「三人ってことは…、アタシも~!?あ、ちょっと待ってちゃお~!!」



チャニックとチャイルスとチャミーは、チャオガーデンに帰ってきた。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第104号
ページ番号
25 / 59
この作品について
タイトル
チャニックアドベンチャー2
作者
あさぼらけ
初回掲載
週刊チャオ第94号
最終掲載
週刊チャオ第118号
連載期間
約5ヵ月18日