ダークサイド
大平洋のどこかにある孤島。
この島には、チャオの研究施設が集まっている。
チャオの生体研究はもちろん、チャオの生体兵器の開発研究までも、この島では行われているらしい。
そして、研究用としてこの島に連れて行かれたチャオは、二度と戻っては来なかった。
その為この島はチャオ達に、「監獄島」と呼ばれていた。
そんな監獄島に忍び込む一人のチャオがいた。
彼の名は、ドクターチャッグマン。
彼は、ガーデンに残されていたおじいさんの日記を見つけた。
彼のおじいさん、ドクターチャラルドが開発した秘密兵器が、この監獄島の最高機密として、この島の奥深くに隠されているらしい。
チャッグマンは、自分の野望達成の為、この島に来たのである。
侵入者警報が鳴り響く。
そんな緊迫のなか、チャッグマンは、きれいなヤカンが落ちているのに気が付いた。
なぜこんな所にヤカンが?
チャッグマンは、そのヤカンを手に取った。
よく見ると、ちょっと汚れていた。そこで、チャッグマンはレロレロしてみた。
すると…。ボウン!
なんと、ヤカンの中から変な人が現れる!
変な人は言う。
「わしは、変な人ではない!チャオの悪魔、ヘルチャタン様だぞ!」
びっくらこくチャッグマン。
「チャオの悪魔?ヘルチャタン?なぜお前は、ヤカンの中にいたちゃお?」
痛いところをつかれたヘルチャタン。
「そ、そんなことはどうでもいいだろ。まあ、その、なんだ、わしをチャオの神様の封印から解いてくれたのだから、お前の願い事を叶えてやろう。さあ、ナニがいい?永遠の命か?それとも世界征服か?」
「くすくす。」
チャッグマンは、思わず笑う。
「ふ~ん、お前、チャオの神様に封印されたちゃおか?ヤカンの中に」
「ギクッ。な、なぜそれを知っている?お前、人の心が読めるのか?」
ちょっち頭のネジはゆるいヘルチャタン。
それはさておき、チャッグマンは世界征服を望む。
ヘルチャタンは、呪文を唱える。
「これで世界は、あなたのものです!」
「ちゃお?」
ヘルチャタンは続ける。
「あなたは一生働く必要は有りません。毎日遊んで暮らせます!さらに、どこへ行くのも自由!好きな時に食べ、好きな時に寝る!この世界は、あなたのものです。さらばじゃ!」
そう言うと、ヘルチャタンはヤカンの中に帰っていった。
「お~、これで世界はチャッグマンのものちゃおか?ん?今とあんまり変わってないちゃお~!こんにゃろ~!」
チャッグマンは、ヤカンを叩き割る。
再び召喚されるヘルチャタン。
「あ~、ひどいよ~。これ、ヘルチャタンのおうちなんだぞ~。」
泣きべそをかきながらヤカンの破片を集めるヘルチャタン。そんなヘルチャタンにチャッグマンはつめよる。
「お前なあ、世界征服といったら、なんか兵器とか出すもんちゃお!」
「解ったよ~。」
ヘルチャタンは、チャッグウオーカーを出した。
「なんか、ちゃっちいちゃおね。」
「でも、あなたの周辺を征服するには、もってこいですよ。ロックオンレーザーや、大砲もついてるし、飛行モードにも変形できますよ。」
「ふ~ん、じゃあこれで我慢するちゃお。」
三分後、チャッグマンは兵器施設の最深部にいた。
「このチャッグウオーカー、なかなかのもんちゃおね。」
そんなチャッグマンの目の前には、小さな棺おけらしきものと、それにつながるコンピュータがあった。
「これが、じいさんの残した最高機密兵器ちゃおね。意外に小さいちゃお。」
チャッグマンは、コンピュータを起動させる。
「パスワードは、ア・サ・ト・ア・イ。そして、カオス系チャオのアレをセットするちゃお。」
ブゥゥィィ~~ン!
棺おけらしき物の蓋が開く。その中には。
「お、お前はチャニック!いや、違う。お前は、ま、まさか。」
そう、あの青いカケチャ、チャニック。いや、このカケチャは、黒かった。
「僕の名はチャドー。僕を目覚めさせてくれたお礼に、あなたの望みを叶えてさしあげようちゃお。」
「うわ~、ヘルチャタンみたいちゃお!お前は本当に、最高機密兵器チャドーなのちゃおか?」
チャッグマンは、予想外な「機密兵器」に戸惑う。
「そんなお前が、わしの願いを叶えるとは、どういう意味ちゃお?」
チャドーは意味ありげにほくそえむ。
「全ては、カオスチャオのアレと供に」
その場を立ち去ろうとするチャドー。
「ま、待つちゃお!」
「スペースコロニー・チャークへ。中央制御室にて、お待ちしていますちゃお。」
立ち去るチャドー。
チャッグマンも、この監獄島をあとにし、砂漠地帯の秘密基地へと帰る。
チャッグウオーカーの飛行モードで砂漠の遺跡地帯近くを飛んでいると、突然、チャオ粒子エネルギー反応をキャッチ!
その反応からみると、十中八九、カオス系チャオのアレだろうと、チャッグマンはスーパーキャッチシステムを起動させる。
ガゴ~ン!!
引き寄せられた物を覗き込むチャッグマン。
「こ、これはマスタージュエル!」
不死のエネルギーを持ち、無限のパワーを発揮するカオス系