全部で21話目「頂上 ナイトメア現る」
ついに敵の本拠地へとやってきた一行。
はたしてどのような結末が彼らを待ち受けているのか!?
一行は怖い顔のお山のふもとにたどり着いた。
ひとつの穴があいている。おそらく出入り口だろう。
それはまるで一行を飲み込もうとしているかのように大きく開いている。
一行は中へと入っていった・・・・・・。
チャイルス「中は螺旋階段みたいになってら。」
山の中は薄暗く、ドームのようになっている。その壁際に、上へと続く螺旋階段がある。
天井は見えない。どこまでも果てしなく続いているようだ。
しかし、大きな円錐の内側につくられている以上、終わりがあるのは明らかだった。
そしてその螺旋の終わりには、最後の戦いが待っているであろう事も。
チャックス「・・・・・・行くぜ。」
一行はぞろぞろと螺旋階段を上り始める。
外からは見えなかったが、階段の途中にはいくつもの窓(ただあいているだけ)があり、そこから光が差し込んでいる。
分厚いカーテンにさえぎられながらもかすかに地上にとどく光。
ふもとにはあの地獄絵が広がっている。
一行はほとんどしゃべらずに登っていった。
いったいどれだけ登ったろう。
足はもう棒のようだ。
窓の外の遠く遠くにダークガーデンがかすかに見える。
ラフィン「おそらくもう少しだろう。もう少しでメダルを取り戻せる。」
ムルル「ナイトメアに勝てればね。」
チャチャ「ムルル!」
ラフィン「・・・・・・・・・・・・。」
チャチャ「大丈夫やって。ラフィンは強いから、ナイトメアにも勝てるって。」
ラフィン「当たり前だ。メダルを取り戻すまでは死んでも負けん。」
ムルル「・・・死んだら負けるよ。」
チャチャ「ムルルッ!」
ムルル「・・・・・・ごめん。」
一行はさらに上を目指して登っていった。
そしてついに大きな扉の目の前にたどり着いた。
この扉の向こうに奴がいる。
チャックスとラフィンのメダルを盗み、強大な力を得ようとしている奴が。
チャックス「・・・・・・開けるぜ。」
ギィィィ・・・・・・
重い扉が開く。
広間のような部屋が現れた。
どうやら「怖い顔のお山」のちょうど顔のあたりのようだ。
入り口と反対側の壁に、目と口のように見える穴があいている。もう外は夜になっていたようだ。
床には魔法陣のようなもの(「魔方陣」ではない)が刻まれ、中心では不気味に発光する機械が、脈打つように動いている。
その機械に何かはめ込まれている。それは―――。
チャックス「俺の金メダル!」
ラフィン「俺のヒーローメダルだ!」
シルバー「トパーズもあるよ!」
チャオレースの4つの勲章が、9つあけられた穴のうちの4つにはめ込まれていた。
左上の穴にはトパーズ。
最も左の穴にはヒーローメダル。
最も右の穴にはダークメダル。
中心には金メダル―――。
残った5つの穴にも何かが入りそうだ。
こんなかんじの配列になっている。
○
ト ○
ヒ 金 ダ
○ ○
○
???「・・・・・・来たか。」
一行『!?』
不気味にうごめく機械のむこうから、1人のチャオが現れた。
夜の闇を連想させる漆黒の体。
その手足の先には燃えあがる炎のような模様。
闇夜の猫の瞳のように黄金に光る無気味な目。
そして頭の上には静かに揺らめく紫の炎・・・・・・。
そう、彼こそがナイトメア。恐ろしい野望を秘めたダークカオス。
ナイトメアがゆっくりと口を開く。
ナイトメア「お前たち・・・エレメンタルジュエルを持っているな・・・。」
チャックス「だからどうした!それよりお前!俺の宝物、返してもらうぜ!」
ラフィン「俺のヒーローメダルもだ。チャオだろうと窃盗は罪だぞ。」
ナイトメア「渡してもらおうか。残り5つのエレメンタルジュエル・・・。それがそろえば世界は・・・・・・。」
チャニム「へっ!欲しいなら力ずくで取ってみるんだな!行くぜっ!」
シルバー「チャニムやめて!無謀だよ!」
しかしもう遅かった。
チャニム「火炎切り!」
ナイトメア「・・・・・・・・・・・・。」
スッ・・・・・・ドスッ!
チャニム「・・・・・・グハッ!」
一瞬の出来事だった。
気づいたときには、チャニムの体をナイトメアの右腕がとらえていた。
バタッ
チャニムの体がナイトメアの右腕から落ちる。
その胸に、赤く輝くガーネットは無かった。
パチッ
ナイトメアが投げたガーネットが右上にはめ込まれた。
ナイトメア「・・・・・・残りは4つ。全て渡してもらおう。」
続く