続き。

その翌朝。

【藤村】「ははははは、6匹で一緒に戦うんだから多少寝不足になろうといいさ。
     それじゃあ、午前中はゆっくり休んで午後から実戦だ。
     場所は恐らく大阪上空だろう。今日も敵の新兵器が来るに違いない。」

しかし、次の瞬間であった。

ピー!ピー!ピー!
【一同】「警報音!!??」
【アナウンス】「神戸上空に敵来襲。
        直ちに戦闘態勢に移行せよ!」
【ジェノラ】「え?って事は・・・!?」
【藤村】「・・・そうなりそうだ。悪いが、みんな行ってくれるね?」
【6匹】「・・・はい!」

地下基地は巨大で、大阪湾のほぼ全域を覆っている。
そして淡路島に巨大な縦穴が作られ、そこからロボが出撃できるようになっていた。

6匹はそれぞれの機体に乗り込み、

【藤村】「準備はOK・・・全機、出撃!!」
ゴゴゴゴゴ・・・・

そして、6機のスーパーロボットが、淡路島上空に現れた。
藤村は基地からオペレーターを務める。

【ノブロ】「とりあえず、北東ですね。」
【フェルノ】「ええ、やってやるわよ!」

大阪湾を渡れば、すぐに神戸である。
見れば、既に煙があちこちに上っていた。

そして見ると、自分達の乗っているロボよりも数倍大きいロボットが、上空からミサイルを次々と撃っていた。

【ギザン】「あれだな!」
【藤村】「ああ、多分そうだ。相手は一機のようだ、上手くやれよ!」

【ケルミス】「そろそろだな。対空ミサイル発射!!」

バババババ・・・
しかし、相手も既に気付いている。
小型シールドを張り、全て弾き落とした。

【レイネ】「やりますわね。」
【藤村】「まあ、僕が文献を見た限りでは、防御シールドを張らないロボは無いからな。
     だから格闘用の武装ってのがある。
     昔の連中はよく考えたもんだ。」
などと言っている間に、ジェノラ機が敵の後ろに回りこみ、
【ジェノラ】「えいっ!」
バキッ!

大胆にも、敵の機体に蹴りを入れてみせた。

ジジジ・・・

すると敵の機体がいきなり故障したように動きが鈍くなり、逃げ始めた。
【フェルノ】「・・・え?
       ひょっとして・・・」
【藤村】「ああ、急所を突かれたみたいだ。
     今だ、逃がすな!」

【ギザン】「ええい、叩き落としてやる!」
【ノブロ】「待って!真下は市街地、下手に撃墜すると死者が出る!」
【藤村】「そうだな。機体を解析したいから、北の六甲山脈に撃墜させてくれ。
     海だと回収作業が厄介だ。」
【6匹】「了解!」

すると、敵機をうまく取り囲み、持ち上げて、六甲山脈の中腹に下ろした。
【フェルノ】「中のパイロットが気になるわ。どうする?」
【レイネ】「とりあえず、私達で囲んでおけばいくら暴れても大丈夫なのでは?」

そして1時間後、そこに藤村が駆けつけた。

【藤村】「よくやった。初実戦は大成功だ。
     だが、無論これからが本番だ。気を引き締めて頼むよ!」
【6匹】「はい!」


翌日、基地の中で彼はつぶやいた。

【藤村】「・・・あの戦い、まるで機体に心が入っていたようだ・・・
     蒼き心、『Blue Hearts』、とでも名づけるか・・・」
昨日大活躍した6機のロボット。
形は人間型で、藤村が過去の文献を参考に製作したためどことなく過去に出てきたロボットに似ている。
塗装は金銭的制約の為ほとんど青一色。
ちょっと見ただけでは6機とも見分けがつかない。
彼はこのロボット達に『Blue Hearts』と名づけた。

                 続く

このページについて
掲載号
週刊チャオ第43号
ページ番号
3 / 3
この作品について
タイトル
Blue Hearts ~蒼き心に~
作者
ホップスター
初回掲載
週刊チャオ第43号