第二百二話
【妹の姿】
先ほどのチャオを追いかけている三人・・・
フォル「なぁ、シュイってあのおとなしそうなお前の妹だよな?」
ライドは黙ってうなずいた。
フォル「何なんだ今のは?変な笑い声上げて・・・」
ライド「俺も・・よくわかんねぇんだ。アジトに金を取りに行こうと二人で歩いてたら・・・急に変なお化けみたいなのが現れてシュイの中に入ったんだ。そしたら・・・あんなふうに・・・」
カイ「!フォル、それって!!」
フォル「オンネーンだ!!」
ライド「・・?何なんだそのオンネーンってのは!?」
フォル「カイ!俺はみんなを呼んでくる。お前はライドと一緒にシュイを追いかけてろ!!」
カイ「了解!!」
そう言ってフォルは向きを変えてドームに向かって走っていった。
カイ「急ごう!!」
ライド「お・・おう!!」
二人は少し走るペースを上げた。
すると、前に走っているチャオが見えた。
ライド「あれだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
そう叫びながらライドはさらにペースを上げた。
カイ「ちょ・・!!速いって!!」
カイはライドに追いつけずに、どんどん離されていった。
ライド「待てぇ!!シュイーー!!」
ライドのペースはどんどん上がっていった。
カイ「・・・なんかこの小説シスコンばっかだなぁ・・・」
シュイ「キャキャキャキャキャ!!!」
ライド「シュイーーー!!!」
大声で叫びながらライドはどんどんシュイとの距離を詰めていった。
その声を聞いて、シュイはライドが追いつきそうなことに気がついた。
シュイ「?・・・またあいつなのね・・・うっとおしいのね・・・」
そう呟くと、シュイもペースを上げ始めた。
ライド「くっ・・・シュイィィィィィィィィィ!!!」
必死に追いつこうとするが、流石のライドも、これまでのペースアップでまたバテ始めた。
二人の距離は、また広がっていった。
ライド「ちぃ・・・ん?」
今シュイは、クレイスタワーの入り口の前付近にいた。
タワーの入り口は、ドームによって、右と左が行き止まりになっている。
さらに、タワーはすでに封鎖されているため、扉は開かない。
つまり・・・
ライド(追い詰めた!!)
シュイ「!!」
シュイは、扉の前で立ち止まると、扉に手をかけて、開けようといた。
だが、もちろん開くはずはない。
ライド(おし!!)
ライドは、一気に走り出した。
シュイ「し・・しまっ・・・」
ライド「捕まえたぁぁぁぁぁ!!!」
ライドはシュイに飛び掛った。
―ニヤ
シュイ「・・・なんちゃって♪」
タワーの扉は開いていない・・いや、開くはずがない
それなのに・・・
ライド「!?」
シュイは・・・タワーの中に入った。
そして・・・
ゴツン!!
ライドは頭を思いっきり扉にぶつけた。
ライド「ぐぅ・・」
ライドは頭を上げて、扉を見た。
そこには・・不気味な笑みを浮かべたシュイの姿が映っていた。
シュイ「ふふ・・・バイバイ♪」
ライド「しゅ・・・い・・・」
ライドの体力は、すでに限界だった。
奥へと歩いていくシュイの背中を見つめながら、ライドは気絶した。