第百六十七話

【強化必殺！雷の世界！】

バース「空中戦・・とは言ったものの・・足が痛ぇのにかわりねぇんだよなぁ・・・」

と、呟いている矢先に上からハンマーが落ちてくる。

バース「のぁぁ！？」

バースはギリギリ避ける。

レイ「ちっ・・・」

バース「テメェ！前触れなく攻撃なんてずるいんじゃネーノ！？」

レイ「戦闘中に前触れもクソもあるか。中級魔法イビルタワー！」

下からバースに向かって塔が伸びてくる。

バースはそれを避ける。

バース「どうした～？その程度か～？（足痛ぇ・・・あんまり足を激しく揺らさねぇように動かないと・・・）」

レイ「分裂。」

バース「は？」

レイがそう言うと、イビルタワーは一つ縦２ｍぐらいに等分して分裂した。

もちろん分裂なのだから塔の一部はぶっ飛んでくるわけである。

バース（空中で大剣は使えねぇ・・・とは言っても双剣じゃ受け止められねぇ・・・避けるしか・・・）

バースは飛んでくるたくさんの塔の一部を避ける。

もちろんいくつも飛んでくるのでバースの動きは速くしざるを得ない。

バース「つっ・・・足が・・・」

バースが一瞬よろめく。

その時、塔の一部がバースに直撃した。

バース「ぐぁ！」

その一発目から、次々と塔の一部は飛んでくる。

それにイビルタワーは電気を纏っている為、電気による痺れも起き始めていた。

バース（この状況・・どうにかならねぇ・・か・・・？）

レイ「・・・あいつ・・なかなか粘るな・・・だが、そろそろ限界だな。」

バース（とりあえず・・このままじゃダメージを受け続けるだけだ・・・どうにかして・・・）

そこでバースは大剣を取り出して、重さにより急激に落下する。

バース（なんとか抜け出せたな・・・くそ・・・体が痺れる・・・）

バースは電気を喰らい続けていたため体が痺れている。

そのため、腕に力が入らず、大剣を落としてしまった。

大剣は地面に突き刺さった。

バース「・・・！そうだ！」

バースは双剣を取り出す。

バース「痺れるけど・・・双剣ならなんとか・・・！電信柱！」

双剣を下に構え、電信柱を放った。

だが目標はレイではなく・・・

レイ「・・大剣？」

そう、電信柱は大剣に向かって落ちた。

すると大剣は光りだし、周りにはバチバチと、電気が溜まっている。

バース「おりゃぁ！」

そしてバースは力の入らない腕で出せる最大限の力を使って双剣を地面に投げた。

双剣は、大剣の左右に一本ずつ刺さった。

レイ「何をする気だ！？」

そしてバースは大剣の上に着地した。

バース「サンダーフィールドの強化版いくぜぇぇぇぇぇぇ！！！」

そういってバースは大剣の上でジャンプする。

レイは危険を察知したのか、すぐに床からジャンプする。

バース「サンダーワールドォォォォォォォォォ！！」

大剣に蓄積された電気が双剣の柄に渡り、三本の剣から大量に電気が地面に流される。

大剣の上からジャンプしたにも関わらず、少しでも落ちれば感電する程バースに電気が近づいていた。

もちろんこれほどの電気をレイがただのジャンプで避けられるわけがない。

レイ「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！！！（何なんだこの攻撃は！？電気の上級魔法に匹敵する程の威力だぞ！？）」

レイは電気をまともに受けた。

放電が収まり、バースも地面着地する。

レイは黒焦げになって地面に寝転がっている。

バース「勝ったか？」

レイ「・・俺が序盤から何も攻撃を喰らってないことを忘れたか？」

レイはゆっくりと起き上がってきた。

レイ「流石にこのダメージはきついが何もダメージを受けていない俺が倒れるほどではない。」

バース「っ・・！」

レイ「・・と、いいたいが・・・」

バース「？」

レイ「超級魔法に・・中級魔法の大量発動・・・体力が・・・かなり・・消耗されてた・・みたいだ・・・な・・・」

ドスン、と音を立て、レイが再び倒れた。

バース「・・・危なかった・・敵が魔法使いじゃなかったら負けてたかも・・・」

【ドーム中央】

司会者「勝者！バース選手！」

バース「あ～疲れた。今日はもう寝よ・・・・」

レイ（こいつ・・・成長が急激過ぎる・・・）