ばったもん戦隊チャオレンジャイ!

ある日チャオワールドから、5人のチャオが宇宙の彼方にさらわれた。そして20年後。
ばったもん戦隊チャオレンジャイ!

いつも平和なチャオガーデン。
しかし、一人の怪人チャオが、ガーデンのお友達をいじめようとしています。
「がっはっはっは~、このガーデンはワシのもんじゃい!」

「まてい!」
そこへ、5人のチャオが現れます。
「赤チャオジャイ!」
「青チャオジャイ!」
「赤チャオジャイ!」
「赤チャオジャイ!」
「青チャオジャイ!」
「5人そろって、チャオレンジャイ! さあ怪人、かかってくるちゃお!」

怪人チャオは、あっけにとられます。
「まてまて、ちょっとまてって。」
「さあ来い、怪人。」

「だから待てって言ってるだろ。」
怪人チャオは、リーダーとおぼしき赤1をはたきます。
「あいたあ、なんて強烈な一撃ちゃお。みんな、油断するなちゃお!」

一人あつくなる赤1を、怪人チャオは冷めた目で見ています。
「お前、おかしいだろ。」
「何がおかしい?おかしいのは、お前ちゃお!」
怪人チャオは、赤1をはたきます。
「まずは、俺の話しを聞けって。」
「聞く耳持たんちゃお! ひい、かんにんちゃお。」
怪人チャオがまたはたくそぶりをみせたので、赤1もおとなしくなります。

「お前らさあ、5人いて、なんで色が二色しかないねん?」
怪人チャオの言葉に、チャオレンジャイは返す言葉もありません。

「なあ、お前とお前だけで、あとはいらんとちゃうん?」
怪人チャオは、赤2と青1を軽く蹴りながら言います。

「僕達、色じゃなくて、性格とかを見てほしいちゃお。」
「はあ?」
赤1の言葉に、怪人チャオはまたまた、あっけにとられます。
赤1は、赤2を指さします。
「例えば彼は、泣き虫なんですちゃお。」
「そして俺は、好奇心旺盛ちゃお!」
横から赤3が口を挟みます。

「おいおい、そんなん保健室行かんと解らんじゃん。」
「いえ、解りますちゃお。僕達がんばりますちゃお。」
赤1は、一生懸命説得します。

「駄目だ駄目だ。お前等となんか戦ってられん。帰るわ。」
怪人チャオは、やる気を無くしました。

「え~、帰るちゃおか?どしてちゃお?ちゃんと戦いましょうちゃお。」
赤1は、一生懸命引き止めます。

「ちゃんと?」
怪人チャオはその言葉に反応します。
「ちゃんとって、お前等がちゃんとしてねえから、戦えねえんだろ!
 性格ってなんだよ?みんな、色で見るんだぜ。解るかい!ちびっこ達のことも考えろ!」

今度は青1が口をはさみます。
「すみませんちゃお。僕が黄色でもよかったんちゃおけど、僕、カレーが嫌いちゃお。だから、黄色は出来ませんでしたちゃお。」

「はあ?お前なあ、黄色がカレー食わないで、何食うんだよ?
 お前らもさあ、こうやって戦隊組むんだから、付き合いも長いんだろ?
 したら、こいつにこの色あうなあとか、解るだろ。」

赤1が、申し訳なさそうに言います。
「すみません。僕達、さっき会ったばっかりちゃお。」
これには怪人チャオも、言葉が出ません。

「hiro改さんのチャオレンジャーを読んで、あさぼらけさんがその場で考えたちゃおから、僕達もよく解らんちゃお。」

「はあ、あのぼけ野郎が。」
「ぼけ野郎って、それはひどいちゃお。せめてぼけっちって呼んで下さいちゃお。」
「はいはい、どっちでもええがな。ぼけっちでもぼけりんでも。
 やっぱさあ、お前らもおかしい思ってるんだろ。ぼけにいきなりこんなコトやらされてなあ。」

「いいえ!」
赤2が、口答えします。
「僕は、ぼけっちを尊敬してますちゃお!ぼけっちの悪口は、もおいいちゃおから、早く戦いましょうちゃお!」

怪人チャオは、首を振ります。
「出来ん出来ん。俺も、平戦闘員からやっと怪人に昇格したんだよ。
 したら、こんなふざけたヤツ等と戦えって、出来っこないだろ。」

その時チャオレンジャイは始めて気が付きました。赤1が聞いてみます。
「そういえば怪人さん。戦闘員の方々はどしたちゃお?」
「ああ、あいつらか?リストラされたわ。」
「え~、リストラっすか?」

「まあ、俺等悪の組織も、大変なんだよ。壮大な計画立てても、正義の味方に邪魔されちゃあ、金がいくらあっても足らんって。」
「はあ、そうなんちゃおか。」

「だからさあ、お前らもちゃんとしてほしい訳よ。
 こっちもいろいろ計画立ててやってんだから、それなりの礼儀ってもんがあるだろ?」

チャオレンジャイ達は、初めて申し訳ない気持ちになりました。
「すみませんでしたちゃお。」
「僕達が、間違ってましたちゃお。」

やっと解ってくれたチャオレンジャイを見て、怪人チャオも悪い気はしません。
「お前等も、やっと解ってくれたか。」
「はいちゃお。怪人さん、じゃあ僕等がちゃんとしたら、戦ってくれますちゃおね?」
赤1の言葉に、怪人チャオもちょっと考えます。
「まあ、ちゃんとしてくれるぶんには、俺も戦いガイがあるもんな。」

「解りましたちゃお。ちゃんとしてきますんで、来週は戦って下さいちゃお。」
「え?来週もやるの?」
怪人チャオは、ソレに驚きます。
怪人チャオはチャオガーデンから帰っていきます。


ともあれ、チャオガーデンに平和が戻ります。
この平和は、永遠に続くでしょう。
来週いきなりやぶられることは、ないでしょう。

このページについて
掲載号
週刊チャオ第103号
ページ番号
1 / 4
この作品について
タイトル
ばったもん戦隊チャオレンジャイ!
作者
あさぼらけ
初回掲載
週刊チャオ第103号
最終掲載
週刊チャオ第120号
連載期間
約4ヵ月