「ユキ」1
ツリーの近くに「邪魔だ、蹴り飛ばすぞ。」とツリーを睨んでいた少年がいた。
おや、どうやら1人暮らしでやる事がない。とか考えてそうだ。
「やべっ、もうこんな時間。早くしねぇと。」
・・・どう考えても演技だ。僕がチャオだからってそんな事通用するとでも?
『何してんの?バレバレだよ?』
ぉ、動きが止まった。
「ん?いや、お前に構ってる暇は―」
『まぁそうだろうなぁ。僕みたいな単身チャオに構ってる暇無いよね。最近の子供と言ったら・・・。』
わざとらしく言ってみる。おや、もう目が黒い。チョロイな。
「じゃあ・・・俺に何して欲しいっつーんだ?」
『・・・何も?』
今はね。後で言うさ。
「あっそ。じゃ、俺は帰ると―」
『じゃあねー。』
さて、行こ。
「だからお前に構ってる暇は無い。じゃあな。」
『うん、世話かけたね。・・・・・。』
・・・あ、いい事思いついた。
とりあえず、この少年は鈍い事が発覚。ずっと後ろにいたのに気付きもしない。
お邪魔しまーす。げ、何だココは。ゴミ処理場か?この少年、そう遠くない将来に死ぬな。
『何この家。殺風景な上に汚い。ちゃんと掃除してる?』
と、口に出してみた。少年が冷や汗状態だ。もうちょっと追い討ちしてみよう。
『おい、聞いてるのかそこのパソコンやってる少年。』
お、こっち向いた。
「―何でお前は人の家に勝手にあがってるんだよ。」
『おや、家に来いってムード漂ってたんだけどね。違った?』
勿論ムードなんてどうでもいい。どっちみち付いていこうかなと思っただけだ。
「いいから出てけ。」
『えー、酷いなぁ。純粋な生き物に向かって出てけとは。』
あーあ、目が真っ黒。
「で、何のようだ結局。」
10分程でようやくこの話。普通とっととこの質問をするだろうに、やはり鈍いな。
じゃ、ひとまず適当に・・・。
『居候だよ、君1人暮らしだろう?その内家族が出来て大変になるんだから、今の内に勉強でもしてみないか?』
あ、多少固まった。
「残念だが、結婚なんてしない。」
『あー、ダメだよそんな事は。最近少子化が進み始めてるんだからさ、結婚しなさい。何なら紹介でもしてあげようか?』
「結構だ、とっとと用件を話せ。」
『だから居候。』
「却下だ。」
『僕が嫌い?』
「失礼な奴は置かない。」
『僕は物じゃない、者だ。』
「去れ、曲者。」
『させるか、糞者。』
「とりあえず、理由を話せ。」
『そんな事聞くって事はやっぱり僕が嫌いだね?』
「とっとと話せ。」
『「田舎に泊まっチャオ」の者です。』
「だから去れ、曲者。」
『曲者じゃない、タレントだ。』
「黙れ詐欺師。」
『騙してない。』
「騙してる、いいから理由。」
『理由なんてないさ。』
「嘘付くな。」
『理論的な証拠を見せてから嘘を見抜け。』
「お前も理由が無いという証拠を見せろ。」
『「隣の木の実」です。』
「そう言う押しかけ番組は嫌いだ。」
『協力の証として居候させてください。』
「だから却下だ。」
『我々は警察の者d』
「いい加減去れ。」
『やだ、とりあえず居候させろ。』
・・・・・・・・・・ダメだ、キリが無い。
「―あぁ、もういいや。勝手にしろ。妙な事したら即刻追い出す。」
『君の方が妙じゃないか。』
「よし、出てけ。」
『短気だなぁ。』
こうして、アホの元に1匹居候がついた。